号外求めて大手新聞各社をはしご
4月1日の新元号「令和(れいわ)」発表後、記念すべき号外を入手すべく大手新聞各社の本社が軒を連ねる東京・大手町界隈へと自転車をとばし、各紙の“速報ぶり”を拝見。
まず発表予定の午前11時半頃に「毎日」に向かうと、すでに社員が受付でスタンバイ。だが「印刷に時間がかかるので、号外配布は12時半~13時ですね」とのこと。仕切り直しで12時半に改めて出向くと、すでに受付は100人ほどの人間でごった返す始末。
ようやく13時少し前に号外が到着。なぜか歓声とともに拍手が巻き起こり、後は我先にとばかりの争奪戦。気合いを入れて毎日のシンボルカラーである青い法被をまとった社員もタジタジのご様子で、もちろん手にした号外は誰しもクチャクチャだ。
次に急ぎ近くの「読売」本社入口に向かうと、すでに20~30人が遠巻きに待つ。こちらは本社内での“立ち待ち”は厳禁の雰囲気。このときすでに13時だが、号外はまだ。しばらくすると、すぐそばの「産経」本社でも配られたらしく、何人かが産経の号外を握り締めてこちらに猛ダッシュ。掛け持ちで読売の号外もいただこうとする面々だ。幸いなことにその1人に状況を聞くと見知らぬ人ながら「これどうぞ」と「産経」の号外をゲット。
その後、読売の社員が現れ「本社ビルの裏で配布します」とのこと。正面玄関の群衆はすでに50人ほどに膨れ上がっていたが、記者子と同様速歩きで向かうと、3列に整然と並ぶ人々が約200人。「毎日」と比べて対応は天晴れだ。果たして、「読売」本社の号外は設置されたテーブルの前に並んだ順番に“一人1部ずつ”、理路整然と手渡された。このとき時計の針は13時15分を回っていた。
速さの「毎日」、安全の「読売」
「令和」の号外争奪をめぐる狂想曲。「幻の『平成』スクープ」(発表前に情報をつかんでいたが、過去に誤報「光文事件」した懸念からスクープを断念)を誇る「毎日」の速報性への執念(と言っても約1時間後だが)と、群衆の“暴徒化”阻止を第一に考えた「読売」との対応の違いが際立った。
しかし今回の号外は発表される日時が以前から決まっており、各紙とも予定原稿を用意してスタンバイしているはず。もっと早く配布できないものかと腑に落ちない面もあるが、今や各紙とも印刷所は都心の外だけに致し方ないらしい。