安倍晋三首相は1日の記者会見で、集団的自衛権の行使容認は、日本を取り巻く安全保障環境は悪化していて、他国への武力攻撃が日本の存立を脅かす事態が起こり得るからだと説明する一方、1972年の政府見解である「憲法は自国の存立を全うするためも必要な自衛の措置は禁じていない」「自衛の措置は国民の権利が覆される事態に対処するための必要最小限度の範囲にとどまる」は今後も引き続き維持するとした格好だ。
今回の安全保障政策の転換は批判的な見解も多く、従来の憲法解釈にできるだけ沿った形にした。現行憲法下での自衛権行使はここまでの解釈変更が限界で、それ以上は憲法改正が必要だという。
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Q.行使容認しておきながら「憲法解釈の基本的な考え方は何ら変わることはない」という説明をしたのは、反対派を意識しすぎてはいませんか?
A.”基本的な考え方”が変わらないと言ってるだけで、1972年の政府見解を変えたことに変わりはありません。だって、もともと憲法では集団的自衛権は「持っている」と解釈していたのですから。
総理は一政治家として、自らのアイデンティティに基づいて何としてもやりたいのでしょう。集団的自衛権が使える=戦争に突入、というイメージになっているので、なんとか国民に理解してもらおうと少し屁理屈のような言い方をしたのでは。(佐藤尊徳)
[参考:「解釈変更 整合性に腐心」(日経新聞2面 2014年7月2日)]
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