9月3日の内閣改造とあわせて、安倍総理は自民党の役員人事も行う予定で、主要メンバーを交代させる方向で検討しています。
安倍総理は石破茂幹事長に対して【安全保障法制担当大臣】を打診する考えですが、石破氏は要請があっても辞退し、「地方で勝てるようになって初めて政権奪還が完成する」と幹事長続投を希望しているといいます。【国家安全保障基本法】の早期制定を重視する石破氏と、それに消極的な安倍総理の考え方は異なっているために引き受けられないというのが理由ですが……。
尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.【安全保障法制担当大臣】は何をする役職ですか?
A.簡単に言うと、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定を受けて、周辺法を整備する所管大臣。
今回のために新たに作ったもので、それだけ安倍首相がこの法整備に力を入れている、ということがいえる。
この手の法律であれば、防衛省や外務省が中心になって法整備をするので(今回も担当省庁はこの2つが中心)、防衛大臣と外務大臣が居れば事足りると思うのだけど、総理は安全保障に詳しい石破さんを専念させたい意向なのでしょう。
Q.石破氏と安倍総理の考え方の違いって何ですか? 石破さんは幹事長で何をしたいのでしょうか?
A.ここで言っている違いとは、安全保障に関してのこと。それ以外で大きな考えの相違があっては幹事長も務まらないから。
さて、これは石破さん周辺から聞いた話。
石破さんは「安全保障法制担当大臣の適任は自分以外にいない。でも、集団的自衛権の限定的な行使容認の考えの総理と、国家安全保障基本法を制定したい自分とでは考え方に齟齬(そご)が生じてしまう」との考えで、純粋に安全保障に関してのアプローチの仕方が総理と石破さんに違いがあると感じているようだ。それから、「もう自分一人の体じゃない……」ということも。
つまり、「自分一人だったら安保相を受けてもいいかもしれない。でも、自分を担いでくれる人たちが多数いるからには、総裁を目指さないといけない。だから、閣内に入ってしまうと、次回総裁選(来年9月)で安倍総裁と対峙できなくなる」ということ。(佐藤尊徳)
[参考:「石破氏、安保相辞退を明言 幹事長の続投を希望」(日経新聞4面 2014年8月26日)]
★★もっと知りたい!読者が限られたメルマガならではの濃い情報★★
無料メールマガジンの登録はコチラ