内閣府が四半期ごとに推計して速報する、日本全体の経済活動を総合的に示した【GDP統計】。2014年7~9月期のGDP統計は前期比1.6%減で、2期連続のマイナスとなりました。
※今回は”速報”で、精緻に計算する”確報”は約1年後に発表される。
マイナス成長は、この4月の消費税増税の影響で景気がなかなか回復しないことが要因とみられ、検討されていた2015年10月の消費税再増税も延期されることが確定的に。
回復しているという見解もあるものの、長引く景気の足踏みは、企業の収益が上がることで賃金が増え消費が活性化するというアベノミクスの効果に疑問を投げかけています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.今回の速報は”サプライズな結果”と報道されていますが、何がサプライズなのですか?
A.民間のエコノミストの間(平均値)では、2%強のプラス成長と予想されていたから。
消費税増税後の4-6月期は反動でマイナスなのは仕方ないと思われていたけど、その後の企業収益や株価動向でプラスになると思われていたのに、マイナス成長になったということは、「アベノミクス」の失敗か、といわれている。
ま、そんなに簡単に結果なんか出ないと思うけど。
Q.消費税が上がったところで、生活必需品の買い控えはあまり変化が起きないと思います。では、アベノミクスがいう消費拡大って何が買われることをいうのでしょうか?
A.そりゃ、生活必需品は買わないといけないから、いつの時代も買い控えなんておきないよ。食料品は好不況に関係なく安定的な消費。
でも、外食の回数を控えたり、車の買い替え年月を延ばしたり、レジャーの支出を抑えたり、賃金が物価上昇を上回って伸びなければ、何か買うのを控えるでしょ。それは人それぞれだけど、消費税が上がったりしたら、気分的にも値上がり感が強くなるよ。
そういう気分によって消費が抑えられているものや、影響の大きい住宅が積極的に買われるようになったら”消費拡大した”といえる。
だから、安倍首相は企業に賃上げを強く求めてるんだ。
(佐藤尊徳)
[参考:「景気足踏み 回復うかがう 消費、足元は薄日も」(日経新聞1面 2014年11月18日)]
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