安倍政権が憲法改正を実現するための下地作りを行っています。狙う最短シナリオは、2016年秋の国会発議、17年の国民投票。
現在、衆議院では3分の2を超える議席数を持つ与党の自民・公明党ですが、参議院では3分の2を下回っています。また、与党だけで強行採決しても、後に控える国民投票をクリアすることはできないとの考えから、与野党を含めた賛成を目指す必要があります。
野党第一党の民主党のなかにも改憲派は存在。与野党が折り合える点はどこなのか探るなか、まずは”緊急事態・財政・環境権”などに焦点があてられています。
<憲法改正の手続き>
◆衆議院・参議院の議員3分の2の賛成
◆国会での発議を経て、国民投票で半数の賛成
◆公布(憲法改正)
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.“緊急事態・財政・環境権”というあまり聞いたことがないところに焦点があてられていますが、安倍政権が目指す改憲の最終目的はなんですか?
A.憲法改正=9条改正のように言われるけど、そうじゃないと思う。
もともと連合国軍によって作られた今の憲法は、96条に規定されているように改憲するハードルが非常に高い。だから、まず96条の憲法改正の条文(3分の2発議)を変えて、日本人独自の手で現在の日本に合った憲法を作りたいんじゃないかな。
もしみんなが変えたくないと思ったら、国民投票で否決すればいいんだよ。
(佐藤尊徳)
[参考:「憲法改正急がば回れ 首相、民主取り込み探る 「緊急事態」軸にテーマ絞る」(日経新聞朝刊2面 2015年2月6日)]
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