日本経済新聞社がまとめた2014年の世界の「主要商品・サービスシェア調査」によると、対象となった50品目中で日本企業がトップシェアを勝ち取った品目数は9品目。
市場が拡大する企業向け品目での成長が目立ちました。9品目の中でトップの伸びを見せた東レは、米企業買収で炭素繊維の品揃えを拡充したことで首位の座を盤石に。ソニーもスマホのカメラに使われるCMOSイメージセンサーが米アップルなどに採用され、スマホ市場拡大の波に乗っています。
日本の首位品目数は、最多であるアメリカ企業の16品目と次点のヨーロッパの10品目に続く結果に。
一方、日本は中小型液晶パネルの首位の座を奪われました。ジャパンディスプレイやシャープを抜いて首位に躍り出たのは韓国のLGディスプレイ。首位数8品目の韓国と、6品目の中国が日本を猛追しています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Qこれからの日本の技術力はB to Bで示されていくこととなるのでしょうか?
Aそうなるんじゃないかな。
B to Cは、中国など圧倒的な購買力の市場でシェアを取れればいいけど、最終的に地元の製品には競争で勝てなくなる気がする。コモディティ化(差別化のない状態)して利益が薄くなるB to Cの製品よりも、優位性を保てば利幅が大きいB to Bの方が企業としては商売になるだろうね。
電気製品や自動車など、最終製品といわれる商品は部品・素材の集まりだから、最終製品をユーザーに売るより、一つひとつのパーツでオンリーワンになる企業(メーカー)を目指した方が強い気がする。
一時期のインテルなどは、半導体で圧倒的な強さを誇った。そういう企業を目指した方がいいんじゃない?
Q欧米と日中韓だけで50品目中49品目を占めていますが、残りの1品目はどこの国の企業?
Aカナダだよ。
カナダとアメリカで北米とすれば、50品目は欧米諸国、日中韓で占めたことになる。それ以外の国の技術力はまだまだということだね。
ただ、中国は急激に伸びてきたこともあるし、今後、インドなど新興国の進歩も侮れない。資源のない日本は、今後も技術力を磨いていくしか世界での存在感は示せないと思うよ。
[参考:「日本勢、素材・部品で存在感」(日経新聞朝刊1面 2015年7月6日)]
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