投資をするにあたっては、自分がどの程度の時間軸で投資するのかを決める必要がある。まずは、短期、長期それぞれのメリット、デメリットを整理して、どれが自分に合っているのかをしっかり見定めよう。
不確定要素を時間で抑える短期投資
【短期投資】は、長くても数日、短いものになると数分単位で小刻みに売買を繰り返す方法だ。「デイトレード(短期売買)」「スキャルピング(超短期売買)」といった言葉を聞いたことがある人もいると思う。
株式でも何でもよいが、保有する時間を長く取れば取るほど、不確定要素が増えていく。保有している間に、たとえば投資している会社が倒産するかも知れないし、極端な話をすれば戦争が起きるかもしれない。そして遠い将来、何が起こって、マーケットが大混乱に陥るかを、今の時点で知る由はない。
短期投資は、こうした不確定要素によって保有資産に損失が生じるリスクを、最小限に抑えることができる。ただし、保有期間が短期化するほど、取れる値幅は小さくなるため、短期投資を行うトレーダーは、「レバレッジ」といって、自分の保有資産を担保に借り入れを行い、投資する元本を数倍に増やした上で投資する。
短期投資・長期投資の特徴
取れる値幅は小さくとも、投資元本を数倍に膨らませれば、金額ベースでより大きな利益が実現できるからだ。反面、損失も大きく膨らみがちなため、少しでも値下がりしたら、その時点で損切り(損が出ることを承知で売ること)を行う必要がある。
マーケットの値動きに対していかに機動的に動けるかが、短期投資で成功する鍵になるが、そのためには、常にマーケットの動きを見ておく必要がある。よくパソコンの画面を食い入るように見ているトレーダーの姿が、テレビなどで取り上げられることがあるが、まさにあの世界だ。短期投資は、それを本業にしなければ続けられない。
長期投資はリスクをコントロールして対処
では普段、普通に仕事をしているわれわれサラリーマンは、どのような投資をすればいいのか。その答えが【長期投資】だ。
長期投資は10年、20年という長い時間をかけて投資する。ただ、先ほど言ったように、投資期間を長くするほど不確定要素も増えてくるので、さまざまな形でリスクをヘッジ(hedge、損を防ぐ)する必要がある。もちろん、完全にノーリスクにはできないが、少なくともコントロールすることは可能だ。そのためには、まずリスクの種類を知って、それに対してどういう対策が最も効果的なのかを把握する必要がある。
長期投資は、短期投資に比べて不確定要素は多いものの、リスクヘッジさえきっちり行えば、ある程度、ほったらかしのままで資産を殖やすことができる。サラリーマンにとっては最適な投資法といってもいいだろう。