昨今の世界経済は、一時のバブルを経て再びIT業界が勢いを取り戻している。経済紙フィナンシャル・タイムズの2015年時価総額ランキングには、投資会社や巨大エネルギー企業に混じり、Apple、アルファベット(Google)、Microsoftが上位を陣取り、Amazon、Facebookといった”いまどき”の企業も追随。そんななか、日本企業は辛うじてトヨタがトップ20にランクイン。自動車業界に限らず、技術力では海外に引けを取らないはずだが、”世界を席巻する”にはまだ及ばないようだ。アメリカや中国をはじめとするランキング常連企業と、現在の日本企業にはどんな違いがあるのだろうか?
<目次>
経済誌(紙)に見る世界企業の評価と日本の凋落
毎年1回発表される世界的経済誌(紙)のフィナンシャル・タイムズ、フォーチュン、フォーブスの企業ランキング。企業の並びは各誌異なるが、それは「指標」が違うからだ。それぞれ何を意味しているのだろうか? 最近のランキングを見る限り、どうやら日本企業に危機が迫っているようで……。
世界を浸食するIT 破壊と創造の産業
企業の時価総額を指標にしたとき、現在の世界トップランキングには多くのIT企業が名を連ねる。少し前まではエクソンモービルなどのエネルギー系や、ゼネラル・エレクトリックといったコングロマリットが上位を占めていたが、何が変わったのか。そこには、浸蝕性の高いIT業界特有の性質が関係しているようだ。
エキセントリックでないと務まらないのか?ナンバーワンに駆け上がるIT企業の創業者たち
世界を席巻する企業の創業者はどんな人物だろうか。従業員からの信頼が厚い? 最高のエンジニア? たぶん、どちらでもない。Appleのスティーブ・ジョブズ、Microsoftのビル・ゲイツ、Facebookのマーク・ザッカーバーグ……有名なIT企業の創業者たちに共通するのは”エキセントリック”であることだ。一風変わった世界企業の経営者の素質に迫ってみたい。