経済

タクシー業界は自由競争ができない

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尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.どうして国が運賃を規制で縛るのですか?

A.電力料金も、ガス料金も、バスも電車も国が縛りますよ。

 公共のインフラに位置づけられるものは、営業も許認可制なので、勝手に料金を決められません。だから、(バスや鉄道は)赤字路線だからといって簡単に廃線にすることもできません。原価法を用いているから、赤字分を料金に乗せることはできますけど。

 タクシーの場合は、2002年に法改正があり、参入障壁が低くなり、料金の自由度も上がりました。そこで、過当競争が生まれ(利用者に取っては、価格が下がって利点もある)、事業者が疲弊して、従業員(運転士)の待遇が上がらなくなったと判断されて、逆に規制強化に戻りました。
 自由競争のできない業界なのです。(佐藤尊徳)
[参考:2014年4月23日 日経新聞 5面「タクシー運賃、官民攻防」]