プログラミング的思考が身に付く 中央出版「Kicks」が考える“STEM教育と子供の未来”
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プログラミング的思考が身に付く 中央出版「Kicks」が考える“STEM教育と子供の未来”

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世界をフィールドに活躍する人材を育成するため、文部科学省は「プログラミング的思考」を重要視し、先ずは中学・高校でプログラミングの授業を導入。その流れは2020年度の小学校でのプログラミング必修化につながっている。ロボットプログラミング塾「Kicks」を運営する中央出版では、子どもの将来の可能性につながる学びとして、「プログラミング的思考」に加えて「STEM教育」が重要だと考えている。

科学、技術、工学、数学を横断的・統合的に学ぶ「STEM教育」

中央出版が全国で展開している「Kicks」は、子どもが好きな「レゴ®ブロック」を使って、楽しくプログラミングの仕組みを学ぶことができるスクール。小学校入学前の小さな子どもでも通えるコースが設定され、幼児教育の一つとしても注目されている。

教育用の「レゴ®ブロック」を組み立ててロボットを作り、プログラミングをして自分が作ったロボットを動かすのだが、画面の中でブロックを並べる要領で簡単にプログラミングができる専用ソフトを使用するため、子どもでも負担なくプログラミングができる。

ロボットを組み立ててプログラミングするといった一連のプロセスにより、“論理的思考力”や“多面的視点”が培われるのだ。

また、「Kicks」では、「STEM教育」の観点を重視しており、科目横断型のテキストを用いることで理数系の原理や身の回りの技術、生活に必要な知識へ疑問を向け、子どもの興味や好奇心も育んでいる。

「Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字を取った『STEM教育』は、単なる理数系教育と訳されることが多く『文系に進む人間には関係ない』と誤解されることが多々あります。

しかし、本来は教科ごとに断片的ではなく、さまざまな分野を横断的・統合的に学ぶことで、課題発見や解決能力を養う教育アプローチです。ボーダレスな社会の到来が予測される現在、子どもたちが未来を生きるうえで文系・理系関係なく、必要な素養になると考えています」(中央出版株式会社 藤井氏)

さらに、自分の作品の良い所や工夫点を発表するといった“伝達の手法”も磨くべく、相手にわかりやすく伝えるために、ポスターやスライドを子どもたちが自ら準備する。

1年間の成果を発表する大会「Kicks Cup」が年1回開催され、各地方で予選をしたのち、代表チームは全国大会へと挑む。競技会でのチーム活動を通して“表現力”、“協働力”、“情報編集能力”も身に付けることができるのだ。

そのほか、アメリカのNPO法人FIRSTが毎年開催する「FLL(FIRST LEGO League)、FLL Jr.(FIRST LEGO League JR.)」でも、動くレゴモデルとポスターを使って、調べたことや新しく発見したことを発表する。そして、全国大会で好成績を残したチームは、世界大会へと歩みを進める。

「Kicks」のチームも参加した「FLL Jr. ワールドフェスティバル」

「FLL Jr.(FIRST LEGO League JR.)」世界大会への切符を勝ち取るためには、地方大会・全国大会で好成績を取る必要がある。そのためには、完成度の高いモデルやポスターを制作することが大事だが、プレゼンが何よりも重要だという。

堂々とハキハキ、体をうまく使ってプレゼンするために、子どもたちは練習を繰り返す。そのなかで、同世代の友達とのチームワークを学び、自ら調べ、意見が出せる積極性も身に付けていく。時には自分の思うとおりにならないことにも直面し、問題を解決していく経験を積む。

そんななか、愛知県大曾根教室のチームが「FLL Jr. ワールドフェスティバル 2018」に日本代表として出場し「モデル賞」を受賞。小学生のみで構成されたチームが、英語によるプレゼンで世界で結果を残すという偉業を達成した。

「シーズンテーマ『Aqua Adventure(水の冒険)』を土台にした作品で、『私たちの生活にかかせない水はどこから来るんだろう?』といった水の旅(ジャーニー)について学び、より良い水の使い方と処理の方法も考えました。

いつもきれいな水が流れていることを不思議に思ったことから、公園にある『噴水』をテーマに選び、作品作りに挑みました。水というテーマは範囲が広く、方向性を決めるまで相当悩みましたが、やるべきことを決めてからはサクサクと進みました」(Kicks大曽根教室 桜井先生)

二人三脚でロボット教室を広めてきた「Kicks」と「Crefus

「レゴ®ブロック」を使ってプログラミングを学ぶスクールには、「Kicks」のほかにも「Crefus(クレファス)」というブランドがある。株式会社ロボット科学教育が2003年から運営する老舗の教室だ。

2015年、全国に教育ネットワークを持つ中央出版が、ロボット製作を通じてプログラミングや「STEM教育」を実践してきたが、コンテンツホルダーであるロボット科学教育とフランチャイズ契約を結んだのが「Kicks」のはじまり。

幼稚園の年長から小学2年生までは中央出版のブランド「Kicksジュニアエリート」で実際に自分の手を使って試行錯誤を繰り返し“ものをつくる”ハンズオン教育を実践。

子供の自由な“想像力”、そしてそれを具体化するための“創造力”と“科学の知識”をキーワードに、子どもたちは算数・理科・宇宙・地理・社会など、さまざまな分野のテーマに基づいてロボットを製作しプログラミングを学んでいく。答えを自分で予想し、調べ、考え、動かすといった一連のプロセスが、子どもたちのプログラミング的思考を育むのだ。

「低年齢でプログラミングを学ぶ大きな意味は、スキルの習得ではなくその思考法を学ぶことにあります。『Kicks』で行っている、ロボット製作やアイコンベースでのプログラミングは自分の思考が形として見えます。うまくいく、いかないがすぐにわかるため、子どもたちは試行錯誤の習慣をつけていき、『次はこのようにやってみよう』という新しい発想や『本当にこれで大丈夫かな』と冷静な振り返りができるようになります。

ケアレスミスが多かった子どもが、プログラミングを学んだことで学校のテストの際に見直しが出来るようになった、という声も聞きます。スキル習得にとどまらない、子どもにとって大きな進歩だと思います」(中央出版株式会社 藤井氏)

小学3年生からは、「Crefus」のカリキュラムに移る。ロボットを題材としたものづくりを通してメカニズムの基礎学習、プログラミングの基本、ものづくりに必要な算数、物理、電気の基礎について学習し、ロボット競技会を通して学習成果の発表を行う。

Crefusの上級コースでは、レゴ教材から卒業し、より本格的なロボットキット「VEX EDR」を使用、ロボティクスの楽しさをより深く学んでいく。高校生になれば、より高度なプログラミング、本格的なロボット製作に挑戦することもできる。

中央出版とロボット科学教育の合弁会社「CREFUSマーケティング」

2018年11月、中央出版株式会社と、株式会社ロボット科学教育によって、合弁会社「CREFUSマーケティング株式会社」が設立された。これまでも、歩調を合わせて子どもたちにロボット製作とプログラミングの楽しさを知ってもらいながら、科学教育を推進してきた両社。ここにきての合弁会社設立には、どのような背景があるのだろうか。

「『Kicks』と『Crefus』は、おかげさまで直営店とFC系列校を合わせて1万名近くの子どもたちに通っていただける規模になりました。ただ、まだまだ十分なサービス提供ができていない地域も多く、2020年の小学校におけるプログラミング必修化に向けてよりスピーディーに、より地域に密着した形で本物の『STEM教育』を拡げることが我々の使命と考え、合弁会社の設立に至りました」(中央出版株式会社 藤井氏)

合弁会社の設立によって、双方の会社が培った知見や情報を生かし、今までにサービス提供ができなかったエリアにおいても、教室運営のノウハウを発信でき、各地域の教育機関や企業とのタイアップも期待できるようになる。

全国津々浦々まで「Kicks」と「Crefus」の教室が広まれば、「Kicks Cup」「Crefus Cup」の開催においても、現行の競技大会より多くの地域から代表チームが生まれたほうが盛り上がり、大会自体のレベルアップにつながる。そうなることで、子どもの成長は今よりも充実したものになる。

「AIが急速に普及していく今の時代。AIに取って代わられない人間になる必要があります。そのためには、AIを使いこなし指示を出す能力と、AIにはできない人間特有の能力を身に付けることが大事です。そんな力を必要に駆られてではなく、大好きなブロックを通じて楽しく自らの意思で身に付けてほしいと思います」(中央出版株式会社 藤井氏)

子どもたちの未来に“可能性”を

2020年度から小学校でもプログラミングが必修化されるが、文科省が「プログラミング的思考」を重要視している流れも、今回の合弁会社設立の背景にあるだろう。

「プログラミング的思考、いわゆる論理的な思考については、プログラミングの手順だけ学んでも定着は難しいと思います。試行錯誤の繰り返しによってようやく得られるもので、子どもたちがモチベーションを高く維持しながら学び続けることが何より重要です。

その点で言えば、『STEM教育』は子どもたちの『何でこうなるのだろう』という疑問を知識に変えていきます。そして、その知識が新たな発想につながります。モチベーションを高く維持する上では、取組みをしっかりと評価してあげることが重要。『Kicks』や『Crefus』では発表会や競技会を数多く準備し、検定も受検できます。

『自分の手で作る(ロボット製作)』『どうやって動かそうか考える(プログラミング)』『何でそうなるのか知識を蓄える(STEM教育)』『自分の作品や知識を発表する(プレゼンテーション)』。これを繰り返すことで、子どもたちが自らの意思でさまざまな角度から物事を考える力につながると考えています」(中央出版株式会社 藤井氏)

国を超え、立場を超え、加速度的に広がりを見せる社会を生き抜くために、KicksとCrefusが必要と考えているのは、「STEM教育」「コミュニケーション」「リベラルアーツ」。

今回の合弁会社設立により、「STEM教育」を通じて周りとつながり、世界とつながり、未来とつながる機会を多くの子どもたちに提供することが最大の役割だと、中央出版、ロボット科学教育では考えているのだ。

 

Kicks ジュニアエリート

所在地:全国各地 »詳細はこちら
※曜日・時間は各教室により異なります

■対象年齢:新年長~小学生 ※各教室により受け入れ年齢は異なります
■定員:各クラス2~10名
■費用
入会金 15,000円
ベーシック/スタンダード/アドバンス
指導料:9,000円/月
テキスト代:1,000円/月
維持費:1,000円/月
キット代:別途必要