荷物を届けるトラックが配送先で長時間待たされる、いわゆる「待機時間」問題。一般にはその深刻さがあまり伝わっていないが、ある調査ではその平均待機時間は1時間45分にも達するという。
その間のアイドリング運転によるCO2排出やドライバーの負担は昨今注目のSDGs的にもマイナス。それ以前に、ただでさえ人手不足が深刻な物流業界にとっては大きな損失だ。
国も抜本的な対策に乗り出し、2017年7月に「貨物自動車運送事業輸送安全規則」を改正、車両総重量8t以上などのトラックが30分以上待機した場合、乗務記録に納品先の記載が義務付けられた。
そこでクラウドとAIを駆使して「待機時間」の“撲滅”を目指すネットサービスを、物流コンサルタント企業・ロジクリエイト(本社・江戸川区。武田浩一代表取締役)が開発、注目を集めている。入荷予約システム「Li-SO」(特許出願中)がそれだ。
いわゆるマッチング・サービスで、物流センターを中核に運送会社や問屋などの情報を一元化。車両やドライバー、荷物、さらには物流センターのバース(荷下し場所)の状況を瞬時に勘案、最適な配送プランを組み立て、待機時間を大幅短縮する。
短時間・低コスト、かつスマホやPCを端末として流用できる点もウリ。2019年3月には中部地方の大手スーパー、バローホールディングスが採用。狭い運転席でイライラしながら長時間待たなければならなかったトラックドライバーにとって、まさに朗報だ。