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第4次安倍第2次改造内閣の発足で改憲の行方はどうなるか

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安倍晋三首相は9 月11日、内閣改造と自民党役員人事を行った。環境相に小泉進次郎氏を起用するなど閣僚19人中17人を入れ替える大型改造だが、政権の中核である麻生太郎副首相兼財務相と菅義偉官房長官は留任。党役員人事でも二階俊博幹事長と岸田文雄政調会長を留任させた。政権の安定性を維持して改憲議論を加速させたい考えだが、首相の思い通りに進むかは未知数だ。

「内政、外交にわたる各般の挑戦を進め、令和の時代の新しい日本を切り開いていく。その先にあるのは、自民党立党以来の悲願である憲法改正への挑戦だ」。首相は内閣改造直後の記者会見で、憲法改正への強い意欲を語った。

今回の内閣改造と自民党役員人事で最大の焦点だったのが幹事長ポスト。性急な改憲に慎重姿勢を崩さない公明党に加え、今夏の参院選で与党を中心とする「改憲勢力」が参院全体の3分の2議席を割り込んだことで野党の協力も不可欠となったためだ。

幹事長は政党レベルでの折衝の実質的なトップ。首相は一時、野党との折衝に期待して、保守色の薄い岸田政調会長を横滑りさせる案を模索したが、最終的に政権の安定性を重視して二階氏の留任に決めたという。

二階氏はこれまで党内で高い調整力を発揮してきており、公明党との太いパイプも持つ。これまで改憲には慎重な発言が多かったが、内閣改造を前に「地元で改憲に向けた1000人規模の市民集会を開催する」などとアピールしていたという。改憲に意欲を燃やす首相に協力する姿勢を示すことで、党の資金を握る幹事長ポストの座をキープしたのだ。

このほか、国会対策委員長には3回連続で森山裕氏を起用。これまで立憲民主党の辻本清美国対委員長と築いてきた信頼感に期待を込める。参院の幹事長には首相の側近である世耕弘成前経済産業相を起用した。

一方、党内の改憲議論の取りまとめ役となる憲法改正推進本部長だった下村博文氏を選対委員長に起用。後任に誰が就くかが注目される。同本部長に誰を据えるかによって、首相が持論である9条改正などを推し進めるのか、それとも妥協案を見出してでも改正の実績を優先するのかがわかりそうだ。

首相の目標は2021年9月の総裁任期内に、改憲を実現すること。それに向けて、自民党は10月4日召集予定の臨時国会で、改憲の手続きを定める国民投票法改正案の成立と自民党改憲案の提示を目指している。

国民投票法改正案は一般の法律なので衆参で過半数を占める与党が強行採決することもできるが、それで野党の機嫌を損ねると本丸である改憲案の審議にたどり着かなくなってしまう。かといっていつまでも採決をしないままでは改憲案の審議が始まらないというジレンマを抱える。新たな政府・与党体制でどのように臨むのかが注目される。