新時代の婚活はオンラインとオフラインの併用が主流に?

2020.6.5

社会

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新時代の婚活はオンラインとオフラインの併用が主流に?

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言は解除されたが、まだまだ気兼ねなく外を出歩くことができない状況が続いている。自粛生活で人と会う機会がめっきり減っているなか、人と出会わないことには始まらない「婚活」の状況はどうなっているのだろうか。 婚活パーティーの開催やデートができないため、婚活もコロナ収束後まで一時休止か……と思いきやそんなことはなく、こんな状況だからこそか“婚活のオンライン化”が急速に進みサービス利用者が急増しているという。

リモートワークと同様に、婚活にも今まさに革命が起きており、withコロナ時代・アフターコロナ時代の新しい価値観として定着しそうな勢いだ。 婚活のオンライン化をいち早く取り入れた大手結婚相談所IBJ広報担当の椎名さんに、オンライン婚活の実態を聞いてみた。

コロナ禍の影響で婚活人数はどう変化した?

新型コロナウイルス感染拡大による自粛要請で、そもそも婚活自体がストップしそうな状況だが、実態はそうでもないらしい。IBJの広報担当・椎名さんによると「自粛要請期間は新規会員入会の積極的な受け入れはせずに、仲人もリモートで既存会員のサポートを優先していたが、こんな状況だからこそパートナーとの絆や家庭を求めて入会してくる人もいた」という。

自粛要請を受け、IBJでは8割のお見合いがオンラインとなり、4月1日~5月10日まで、2324件のオンラインお見合いを開催。さらに、お見合いだけなく、オンライン婚活パーティーも同期間で299本開催され、3003人が参加したという。オンラインお見合い自体は海外利用者のためにあったが、本格的に開始したのは今回のコロナ禍以降とのことだ。

運営の苦労は多大にあったとは思うが、数字だけ見ると割とスムーズに“オンライン婚活”に移行できたのだな、という印象を受ける。とはいえ、直接相手と会わないオンライン婚活はなんとなく「うまくいかなそう」というイメージだ。しかし、IBJによると、なんとオンラインお見合いの方がオフラインよりも“交際移行率”が20%も高いのだそうだ。

オンラインの交際移行率が高い3つの要因

相手と直接会う従来のお見合いよりも、画面越しに会うオンラインでのお見合いの方が“交際移行率”が高いのはなぜか。IBJ椎名さんによると、3つの要因が考えられるという。

「ひとつはこのような状況でも活動される、そもそも婚活意欲の高い人がオンラインお見合いを利用しているということ。2つめは、対面だと通常1時間~1時間半のところ、オンラインだと長くても1時間弱のため『また話してみたい』と思うのではないかということ。

3つめは、直接会うと服装やコミュニケーションにおいて“完璧”が求められるが、オンラインお見合いなら、画面越しのコミュニケーションで盛り上がればOKなので、相手を見極めるハードルが下がるのではないか」とのことだ。

確かに、直接会うと服装やらスタイルやら細かい仕草まで気になってしまうが、オンライン上ならば(画面の粗さにもよるが)そこまで気にならなそうな気がする。

また、オンラインならば遠方の人とも気軽に話せるため運営側としてもお見合いが組みやすい、自宅にいたまま話せるのでお互いリラックスでき本来のその人らしさが出しやすいといったメリットもあるという。これまでのオフラインでは高すぎた“初対面のハードル”が、オンラインではぐっと下がり気軽にチャレンジできそうだ。

ただし、まだまだオンラインならではの課題もあり「画面越しだと会話が続かない」といった声もあるそう。IBJでは今後、オンラインゲームやバーチャル美術館デートなど、オンライン上でも一緒にできる“体験”を提供していきたいという。

生涯未婚率に影響する可能性も?

まだまだ課題はあるとはいえ、効率的で時代にもマッチしているように思えるオンライン婚活。コロナ禍での一時的なものではなく今後も定着するだろうか。

椎名さんによると、リモートワークやZoom会議が一般的になっている今、オンライン婚活の利用もハードルが低くなっている傾向にあるという。withコロナ・アフターコロナ時代においての婚活は、オンライン婚活→画面越しにお互い第一印象をクリア→オフラインで対面といった、オンラインとオフラインの併用も一般的になりそうとのことだ。

また、運営側としてもオンラインの方がお見合いへのハードルも下がるため、若い世代の獲得にもつながるという。

これまで婚活といえば、外出が面倒、緊張する、お金がかかる……といったイメージがあったが、そんなマイナス面を緩和してくれるオンライン婚活ならば肩の力を抜いて参加できそうだ。生涯未婚率が右肩上がりの日本だが、オンライン婚活の一般化により婚活がより身近になれば「やってみるか」と思う人が増えるかもしれない。

こういった未曾有の事態にあって、今後の人生を考え直した人も多いはずだ。オンライン婚活はあくまでも出会いの入り口で、その後の交際や成婚に至るかは当人次第だが、ありがたいことに“最初の一歩”のハードルがかなり下げてくれることは確かだ。

自分もそろそろ……なんて考えている人は、この機にリモート会議感覚で参加できるようになったオンライン婚活にぜひチャレンジしてみてほしい。

取材協力:株式会社IBJ 広報担当 椎名麻里