2000年から始まった介護保険は、65歳以上で介護が必要な高齢者を社会全体で支える制度。今後、高齢化が進み団塊世代(1947~1949年に出生)が75歳以上になる2025年以降は、介護対象者が増え、給付費が約10兆円から約20兆円へと急速に膨らみます。
そういった事情から、年収280万円以上の人の自己負担を1割から2割に増やす今回の「医療介護総合推進法」は、政策的に妥当だと思いますが、制度を維持するためにはさらなる負担増や給付抑制が必要だという意見もあります。
そこで尊徳編集長に質問です。
尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.若い労働力が高齢者を支える社会保障の制度は、下が大きな人口ピラミッドでなければ成立しないはずです。今回の件でも明らかですが、もう限界ですよね? 社会保障だけに限ったことではありませんが、微妙に上げて、微妙に抑制するだけで制度維持できるのでしょうか?
A.当然ダメでしょう。普通に考えればわかるでしょ。
根本から変えないといけないんじゃないですか?
少子・高齢化に対して真剣に取り組まなければ、すべては解決しないと思います。若い人が年寄りを支える賦課(ふか)方式は、経済が拡大して、人口が増えるという仕組みの中で成り立つものだから、もう限界でしょ。
もしくは、移民を受け入れて(僕が賛成だと言ってるわけじゃない)アメリカやフランスのように労働人口を増やすとか、いろんな手立てを考えないといけないと思いますよ。厚生労働省が出した試算にだまされてはいけません。
大体、年金だって10年前に「100年安心プラン」などとふざけたことを言って、結局10年も持たない。自公政権はそのことに関して反省すべきでしょう。
Q.今後、年をとって自分たちが社会保障を受けるためには、何を考えなければいけないでしょうか?
A.自分のことは自分で面倒見ること。
大体、国が何かやってくれると思ってることが間違いなんです。きちんと自らが責任を果たして、政治をチェックしないからこういうこと(膨れ上がる社会保障費で負担増)が起きたんじゃないですか?(佐藤尊徳)
[参考:「介護保険、持続へ一歩」(日経新聞1面 2014年6月19日)]
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