住民基本台帳に基づく人口動向調査(2014年1月1日時点)によると、日本の総人口は1億2643万4964人で、最多だった2009年の1億2707万人から5年連続の減少。
人手不足の都市部に地方から働く世代が向かう傾向が強まっていて、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の人口は初めて3,500万人を超え、三大都市圏(東京、名古屋、関西)に住む人口の割合は50.93%に達している。
地方の人口減少が進むと、自治体は住民税や消費税が減る一方、インフラなどの設備は小さくできないためにコストがかさみ、維持が難しくなっていく。
尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.景気は都市部から良くなっていて、そうすると地方から都市部へ人口が移動します。このままでは歯止めがきかなくなりますが、今後の地方行政はどうなっていくのでしょうか?
A.平成の大合併(1999~2010年)がありました。市町村がくっついて、行政の効率化を図りましたけど、限界もありますからね。住民たちが自ら行政サービスをやらなければならないこともあるんじゃないですか?
中核都市に機能を集中させないと無理じゃないですかね? 今の制度を続けていくのであれば、それしか方法はない気がします。拡散していては効率が悪過ぎる。
中核都市に、病院、学校など必要なインフラを集めて、生まれ育った場所は別荘のようにして、たまに帰るとかしないと。(農業をしていて離れられないなどについては)農地は大規模化して、株式会社が参入できるようにして、農家の高齢化に対応するしかないと思いますよ。
Q.地方は中核都市に機能を集中させていくべき、という意見もありますが、編集長の考えはどうですか?
A.(重なりますが)問題を解決するには、中核都市に機能を集中させないと無理だと思います。
ただ、今の制度、人口減が続くと仮定しての話なので、少子化にきっちり取り組み、人口増に転じたらまだ制度維持ができるとは思いますが。
日本は中央集権国家ですからね、東京に一極集中するのは仕方のないことです。まず、霞ヶ関の機能をどこか地方に移す。すると、情報の欲しい企業たちが移ることも十分にあります。ニューヨークとワシントン、北京と上海など首都と商業の中心地が分かれている国は多々あります。
私は道州制や合衆国制を勧めています。アメリカなどはそれぞれの州で法律も違うし、税率も違います。日本でいう消費税が州によっても違います。それぞれの州に特色があって、住みたい制度の街を国民が選べる。だから、自治体が切磋琢磨できます。
日本は住民税以外の徴税権もなく、法律で自由度がないなか、地方都市が生き残れないのは当然です。もっと地方自治体の自由度を上げて、本当の意味での地方自治体にならなければならないでしょう。
そうすれば、国会議員は地元の利権を誘導するよりも、安全保障と外交など国しかできない問題だけに取り組むようになるでしょ。(佐藤尊徳)
[参考:「働く世代、都市部へ 地方、運営厳しく」(日経新聞1面 2014年6月26日)]
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