国会議員の待遇は適切か~年俸2100万円・経費枠2000万円

2014.7.10

政治

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6月下旬、国会議員に上半期のボーナスが支給された。額面は昨年比25%増の262万6820円。東日本大震災以来、続けてきた報酬カットを終了したため、月給とともにボーナスも大幅アップとなった。議員側は「政治家も懐が厳しいから」と説明するが、国会議員ともなれば相当な報酬をもらっているはず。懐が厳しいというのは本当だろうか。

震災を機に導入した2割カットが終了

国会議員の給与は「歳費」と呼ばれ、法律でその額が決まっている。議長や副議長を除く一般の議員は衆参両院とも同じで月額129万円。このほかに期末手当てと呼ばれるボーナスが6月に262万円、12月に290万円支給され、年俸ベースでは2106万円となる。

東日本大震災で復興財源の確保が課題となった際、国会議員は「率先して身を切る姿勢を示す」として月給の50万円削減を決めた。2012年5月からは2年間の時限措置で月給と期末手当を一律12.88%カット。さらに衆院選を間近に控えた同年11月からは「衆院の定数削減が実現するまで」との条件付きで、削減率を7.12%上乗せした。

計2割の削減措置は法律上、今年4月までの時限措置。法改正しなければ5月から満額支給に戻ってしまう。国会内ではさまざまな議論が浮かんだが、国会運営で主導権を握る自民党が「新人議員は財政状況が厳しい」(石破茂幹事長)などと主張。法的措置を一切せず、5月分から満額支給となった。

そもそも12.88%削減の理由は「復興財源の捻出」と「財政難」。国民に復興特別税の負担を課し、消費税率も引き上げることへの理解を求めるためだ。復興税は成長戦略の一環で法人税分のみ前倒しで廃止したが、個人への負担は2037年まで続く。消費税率は4月に8%となり、政府・与党は2015年10月にはさらに10%への引き上げを検討している。国民に負担をお願いしておきながら「国会議員は別」という姿勢には疑問がある。

さらに、7.12%上乗せの条件である衆院の定数削減は、一票の格差を是正するための最低限の措置(5議席減)にとどまり、抜本的な削減は議論すらされていない。与党の公明党は「定数削減の実現までは7.12%の削減を続けるべきだ」と主張したが、自民党にあっさりと無視された。

「野党議員も本音では削減措置の終了を望んでいた」(議員秘書)という声がある。日本維新の会の国会議員団は当初「削減幅を1割に縮小して続ける」案を模索。これを耳にした橋下徹共同代表(大阪市長)が「公約では3割減だったはずだ」と一喝し、慌てて3割減に変更した。民主党の若手議員からも「報酬削減は正直、きつい」との声が漏れており、野党の追及が甘くなっていたことが指摘されている。

 

「報酬」と「経費」の混同に注意

議員報酬の削減が議論になると、必ず出てくるのが「政治にはカネがかかる」とか「報酬が少ないと金持ちしか議員になれなくなる」といった意見だ。政治に一定のカネがかかるのは事実。しかし、こうした議論では議員個人の生活を支えるための「報酬」と、政治活動を展開するための「経費」が混同されていることに気を付けなければならない。

政治活動でカネがかかるのは主に地元事務所の家賃や光熱費、秘書の給料や印刷物の作成費などである。しかし、国会議員は3人の公設秘書を雇うことができ、その給料はすべて国から支払われる。さらにあらゆる経費に充てることができる「文書通信交通滞在費」が月額100万円、政党交付金として議員一人当たり年間4000万円が政党に支払われ、そのうち数百万~1200万円ほどが国会議員に支給される。自民党の派閥に所属していれば、派閥単位で集めたカネから盆暮れの「氷代」や「餅代」といった特別ボーナスが手渡される。

つまり年間2000万円以上の経費が議員には支給されるのである。このカネと議員報酬は別物。報酬を増やしても経費が増えるわけではなく、議員個人の懐が豊かになるだけなのだ。政治にカネがかかるというのであれば、経費を増やせと要求するのが筋であり、給料を増やせというのはおかしい。

確かに支出が多ければ2000万円では足りないかもしれない。しかし、足りなければ工夫して節約すればいい。そもそも支出の大部分は地元事務所や地元秘書の経費であり、いわば自分が次の選挙で当選するための”就職活動費”。新人候補であればすべて自分で出さなければならないことを考えれば、その主張を鵜呑みにしてはいけない。就職活動と政治活動の経費を混同してはいけないのだ。

それでもなお、「報酬が少なければ優秀な人材が集まらない」という反論が予想される。そんな反論には、こう言い返したい。報酬目当ての議員などいらない、と。

120%同意見。大体、議員定数削減を約束してたくせに、(しかも、1票の格差是正は最高裁の判決も出て急務)0増5減(議席数を5つ減らし選挙区の議員定数はそのまま)もやらずに、いけしゃあしゃあと報酬を戻すとは。生活ができなくなるほど困窮しているというのなら別だが、一般国民に比べれば報酬はもらっている方だ。政治活動に金が掛かるから、報酬を上げるというのはおかしな話。定数削減をして、(一人辺りの単価を上げ)もっと国から必要経費を上げてもらえばよい。

大体「国民にお願いをして」という態度が気に入らない。あんたたち(国会議員)も国民の一人だろうに。特別だという意識が透けて見える。目線をもっと合わせんかい!