新宿に約30分、横浜にも約30分。大規模団地や住宅地が広がり、幅広い年齢層が居住する東京・横浜のベットタウン・町田市。豊かな自然が残り、また四季折々の花が咲く公園や個性的な美術館や博物館も多い、魅力あふれる都市・町田市山崎町周辺エリアにおいて、小田急電鉄と小田急グループの神奈中タクシーが連携し、オンデマンド交通「E-バス」を3月12日まで実証運行している。
「E-バス」とは
料金は安いけれど、所定の時刻・ルートでしか利用できない 路線バス。どこからでも目的地に行けるが、料金が高いタクシー。「E-バス」はその両者のいいところを融合した次世代の移動手段として、対象エリア内の「乗車地点(ミーティングポイント)の間の移動を提供する、オンデマンド交通サービスだ。
指定した乗車地点で乗り降りでき、配車リクエストに応じて随時経路を変えながら運行。少人数・定員制、同じ時間帯に同じ方向に行く人と相乗りになる。すでに2020年11月16日から約1か月間、無償での実証運行により需要を検証した。
この無償運行を経て、ミーティングポイントを19か所から26 か所に増設し、電話による配車受付を開始するなど、さらなる運用上の改善を図り、2021年1月18日より有償(100円)での運行を開始した。
「E-バス」乗車の仕方
E-バスの配車リクエストは、MaaSアプリ「EMot」から、誰でも簡単に行うことができる。スマートフォンを持たないユーザーは電話からも配車可能だ。
「EMot」で予約する場合
- スマートフォンに、MaaSアプリ「EMot」をダウンロード
- 発着地を選択
- 人数を選択
- 決済方法の選択 1乗車100円(「EMot」内決済、交通系ICカード、現金)
- 配車内容を確認して決定
電話で予約する場合
- 「042-708-1709」に電話し、「E-バスの予約です」とオペレーターに伝える
- チラシまたはホームページで、乗車地点と降車地点の番号(1番から28番)を確認し、「乗車地点番号」、「降車地点番号」および「ご乗車人数」をオペレーターに伝える。 オペレーターが、「乗車予定時刻」と「予約番号」を案内
- ドライバーに「予約番号」を伝えて、乗車
- 乗車料金を支払う
「E-バス」の運行時間は7時から21時で、車両はトヨタハイエースを使用している。乗車賃は「EMot」内での決済のほか、交通系ICカード、現金での支払いも可能だ。
商業施設で交通チケットを発行中
期間中は商業施設とも連携し、交通チケットも発行。小田急百貨店町田店で税込2160円以上を購入した人(配布は3/12まで)、またはルミネ町田で税込2000円以上購入した人(配布は2/28まで)に、神奈川交通路線バス(※「E-バス」運行地域である山崎町周辺と町田駅を結ぶ系統)と「E-バス」の往復券をセットにしたデジタルチケットを、各施設の所定のカウンターにて提供中だ。
また、JR東日本の「リアルタイム経路検索」を、JR東日本の公式アプリ「JR東日本アプリ」と、小田急電鉄の公式アプリ「EMot」でも提供。対象路線を含む経路を検索すると、遅れが生じている場合にはその遅れを加味した検索結果も得られる。
これらを同時に実施することで、これまで個々で利用してきた移動手段がシームレスにつながり、ルート検索から予約・決済までワンストップで行うことが可能になった。
バスとタクシーが融合したような、まったく新しい移動手段「E-バス」。小田急はこの次世代型の移動サービスの運用を通じて、公共交通と駅周辺商業施設との連携による相乗効果、自家用車による駅前混雑の低減など、新しい生活様式を見据えた問題解決への可能性に挑んでいく。