9月3日、安倍晋三総理は、幹事長の起用に谷垣禎一法相を起用する意向を固めました。自民党の新幹事長に党総裁経験者が起用されるのは、初めてのこと。総務会長に内定した二階俊博衆院予算委員長とともに、消費増税や日中関係の改善に前向きな立場で、拳党体制に向け、来年秋の党総裁選での再選もにらんで党側の協力を得やすくする狙いがうかがえます。
尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!
Q.幹事長とは、どんな役割を担うポジションですか?
A.(以前の)与党自民党の幹事長は絶大な権力を握っていた。
”以前の”と付け加えたのは、小泉内閣以前は、自民党の政調会で政策の議論をして、総務会に上げ、総務会で全会一致になったものを国会で論戦させて決める、というが自民党の決定過程だった。幹事長は、党の公認権、選挙資金などの権限を持ち、幹事長に認められなければ、党の公認を得られないなど、党員は生殺与奪を握れられているので、絶大な権力者だった。
しかし、今は官邸(政府)が強く、党の決定事項よりも、より首相の権限が強くなっている。だから、以前に比べて幹事長の相対的な地位が下がっているといえるんだ。
Q.自民党の新幹事長に党総裁経験者が起用されることは異例なのでしょうか?
A.だって、総裁は会社で言えば社長。幹事長は何かな? No.2ということであれば、副社長。社長経験者が副社長じゃ降格みたいでしょ。今まで総裁経験者が幹事長になったことはないんじゃないかな?
自民党はそのほとんどが与党だったから、総裁=総理になってる。でもかつて、河野洋平氏と谷垣禎一氏が野党の総裁ということで、総理になれなかった。総理経験者が党のNo.2じゃおかしいじゃない。だから異例。
Q.谷垣氏の幹事長起用と二階氏の総務会長起用で、来年秋の党総裁選に向けて、党側の協力を得やすくする狙いがあるとありますが、なぜこの2人の人事で党側の協力を得やすくなるのでしょうか?
A.党の重鎮だから。
谷垣氏は谷垣派の領袖(会長)、二階氏は二階派の領袖で超ベテラン。麻生派の麻生副総理などなど、派閥の領袖を囲い込んで協力させれば、そのグループ(派閥)は味方になるでしょ。不満は石原派くらいだけど14人程度だから。党の重鎮を囲い込んで、敵を作らないということです。
しかも閣内でなく、幹事長、総務会長は党内をまとめる役目だから。(佐藤尊徳)
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