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名刺最大手が紙の名刺がいらないアプリをリリース! 名刺アプリに込めた山櫻の思い[山櫻]

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名刺最大手である山櫻。ピンクの四角と山櫻のロゴを見たことがある人も多いだろう。2014年7月、この山櫻が他社との共同開発によって”NAME CARD(ネームカード)”という「紙の名刺がいらない」デジタル名刺アプリをリリースした。事業の主軸である紙名刺の根幹を揺るがすかもしれないアプリ開発。そこに秘めた思いとは?

市瀬豊和社長に聞いた! なぜ今、アプリなのか

株式会社山櫻

代表取締役社長 市瀬豊和(いちせとよかず)

1962年生まれ。東京都出身。慶應大学卒。学生時代はラグビーで活躍。大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入社。1991年、株式会社 山櫻入社。2004年、代表取締役社長に就任。

■名刺の管理はもういらない
「膨大な紙の名刺をいかに効率よく管理するかという課題は昔からありました。デジタル化が進んだ現在は、名刺管理アプリを使ったり、名刺をスキャニングして人の手でデータ化する方法が主流ですが、NAME CARDは交換時からデータで相手の情報を受け取ることができるので、管理は不要です」

■名刺最大手だからこそ
「弊社は、一社から年間数万箱の単位で企業名刺の発注を受けることもあります。その紙名刺をNAME CARDと連携させることで、数万人の方々に、弊社のその他のさまざまなサービスを利用していただける可能性が高まります。名刺最大手の弊社が持つ強みを利用して、NAME CARDを広めていければと考えています」

名刺管理ソフトとNAME CARDの違い
名刺管理ソフトとNAME CARDの違い

■満を持してアプリ化へ
「名刺管理のアプリについては以前より多くの企業から話をいただいてきましたが、納得できるものがなく、弊社ならではのシステムができないかとチャンスを探してきました。そんななか1年ほど前に、名刺データ交換の特許を持つGimme Five社から業務提携の話をいただき、NAME CARDが誕生しました。スマートフォンを一人一台持つ時代になったこともタイミングとして大きかったと思います」

■日本文化を受け継ぐ
「出会ったときの最初の名刺交換は、コミュニケーションが苦手な日本人ならではの文化。欧米人にとっては情報交換程度の意味しかありません。世の中がデジタル化しても、日本のビジネスシーンにおいて紙の名刺がなくなることは当分ないでしょう。つまり紙の名刺は最初の出会いを印象付けるための挨拶。その後のお付き合いは、NAME CARDと紙の名刺を共存させていくことで、名刺交換相手とのつながりを、より深くしていけると考えています」

■ビジネスの枠を超えて
「NAME CARDは、学生や主婦、シニア世代など、名刺を持たない人たちにとっても便利なツールです。1対1であれば、メールやLINEの交換で済みますが、多人数と交換する場合は一度に交換できることもメリットです。NAME CARDを使うことで、今度はリアルな紙の名刺を持ちたくなるという効果も狙っており、紙名刺の溯及効果も期待しています」

■継続的な人間関係を作る
「昨今、企業年賀状や挨拶状のやり取りが減っています。景気低迷の影響もありますが、大きな理由のひとつに名刺の情報が最新かどうかわからないために送付できない、ということがあります。NAME CARDは役職変更や転職によるデータを自分で更新できるので、交換した相手は常に最新情報を知ることができ、連絡を取らないために失ってしまう人間関係において非常に有益な存在になってくれるはずです」

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