技術・科学

LED成功の陰で…日本の課題は想像力か

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青色発光ダイオード(LED)を開発したことを理由に、2014年のノーベル物理学賞を、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授、天野浩・名古屋大教授、赤崎勇・名城大教授の3氏が受賞。

LEDは1960年代に赤色が開発され、次いで緑色も実現。青色の開発は難航しましたが、1989年に赤崎氏、天野氏が発明し、93年に中村氏が量産化にこぎ着けました。

光の3原色が揃ったことで照明器具や液晶の発展に大きく貢献したほか、青色の技術は大容量の記憶媒体・ブルーレイディスクの実現にも生かされています。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q.LEDが成功した一方、一時期隆盛を誇った半導体や、ガラパゴス化するケータイは海外に負けています。科学を産業につなげるためには何が大きなポイントになるでしょうか?

A.僕の方が聞きたいよ(笑)。

 日本の技術は負けてないと思うよ。ケータイがガラパゴス化してしまったのは、技術ではなく機能の問題だと思う。ゲーム機もそうだったけど、あまりに複雑になり過ぎても使う人のレベルがそこについていかなければダメでしょ。

 そういう意味で、アップルなどは感覚的に使える画期的なスマホを開発したり、時代の流れを読むというか。日本人は真面目に作ることは長けているかもしれないけど、想像力が負けてたんじゃないのかな?

Q.再生医療など政府が力を入れている研究分野もありますが、編集長が注目している分野はありますか?

A.そうだなぁ。燃料電池。

 燃料電池は水素と酸素を反応させて、電気を作る。水(H2O)を分解し、水素と酸素にして、それを反応させて電気を……という具合に作れる本当にクリーンなエネルギー。もっと開発が進んで普及すれば、地下資源を持つ国に大きな顔もされないし。(佐藤尊徳)
[参考:「LED普及『驚く速さ』 青の革命 産業広げる」(日経新聞14、15面 2014年10月9日)]

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