「あきらめなければ成功できる」という話はいたるところで言われています。当たり前のことすぎて反論ができません。当たり前のことであれば、世の中は成功する人が続出するはずなのに、そんなことはない。理由は、成功するまでにあきらめているということになるのでしょうが、あきらめてしまっている人も少ない。では、なんで多くの人は成功しないのか? 今回は成功のポイントについてお話しします。
成功者は特別な人間ではない
「成功の要諦(ようてい)は成功するまで継続することである」というのは、外食チェーンの創業者の言葉です。この言葉を聞いて、あなたはどんなことを感じるでしょうか? もしかしたら、「そんな当たり前のことを言われても……」と感じるかもしれません。
人間というのは、わかりきったことだけど、自分がそれをやっていないことを指摘されると耳を塞ぎたくなります。僕なんかは典型で、知識はあっても行動に移していなかったので、いつも悶々としていました。
今は、成功しているかどうかはわかりませんが、とりあえずは好きなことをして生活ができています。おかげさまで、コンサルタントという仕事は、刺激的な体験をすることがあります。特に、すでに成功している人がクライアントになってくれた場合、お金をもらっているはずの僕の方が勉強をさせていただくケースは珍しくありません。そのなかで最も大きな気づきは、成功者は特別な人間ではないということです。
1日で何万円もするセミナーに100人以上の集客ができるカリスマ講師や、全国に教室を展開している組織のトップでも、割と普通の人だったりします。
このことを知っていたら、もっと大勢の人が成功すると思います。成功する人は、普通ではない何らかの能力があったり、魔法の遺伝子や才能を持って生まれていそうな気がしますが、ほとんどの場合、それは誤解です。
成功者は必ず”行動”している
年収が何千万や億に届くような人でも、忘れ物をするし、食事に行ってメニューを決められずに考え込んでいることもよくあります。能力に関して言えば、論理的な話が苦手だったり、本を読むのが極端に遅い人もます。数字に強い人ばかりではないし、大雑把にしか物事を見ることができない人も少なくありません。
正直、能力という点においては、僕はもっと優秀なサラリーマンを何人も知っています。
しかし、仕事を通して知り合った成功者は、確実に”行動”をしています。”あきらめない”に”行動”がプラスされているのです。僕の経験からもいえることですが、人間は、成功できる発想やスキルをひとつくらいは持っています。後は、それを信じて行動するかどうか。
イメージやアイデア自体は価値を生まない
逆に、行動を起こせない理由はいろいろと考えられます。まずは自分を過小評価しているということ。自信がない。とても現実になるとは思えない。勉強をしてないので何をしていいのかわからない。単に怠け者だったり、決断ができずに、行動を起こすタイミングを待っていたり……いくらでも出てきます。
肝に銘じないといけないのは、イメージやアイデア自体に価値はなく、実行することで価値を生むということ。シンプルですが、重要です。どんな分野でどんな仕事をしているかはあまり重要ではありません。居酒屋でアルバイトをしていた人が大成功をしている話も珍しくはありません。
繰り返しになりますが、成功している人は、アイデアを実行したということと、結果を出すまで続けた(=あきらめなかった)という共通点があります。あきらめずに行動をした結果、全員が例外なく、最初のイメージ以上の成功を手にしています。
成功者のもうひとつの共通点
次の4つのタスクのうち、あなたが優先するのはどれですか?
・緊急で重要なこと
・緊急でないけど重要なこと
・緊急で重要ではないこと
・緊急でもなく、重要でもないこと
できる人は「緊急で重要なこと」を優先します。当然ですね。「やらないといけないこと」ですから。しかし、成功している人は、「緊急ではないけど重要なこと」を優先します。
僕はサラリーマン時代に、それなりにできる営業マンだった(と思う)ので、それなりに忙しく仕事をしていました。やるのは「緊急で重要なこと」です。
一方で出版の準備もしていました。どこかの出版社に書いてほしいと言われていたわけではありません。誰に頼まれたわけでもないので納期もありませんし、緊急性は全くありません。結局、企画書を30通ほどボツにしました。しかし、僕の人生においては重要なことだということはわかっていました。
結果、1年後に本は出版され、翌年に2冊目が出版され、韓国でも販売されました。「緊急ではないけど重要なこと」をしたことで今の僕があります。
自分のための行動することが大事
「緊急で重要なこと」は誰かのためにやること。「緊急でないけど重要なこと」は自分のためにやること。それをやることは、自分を応援することだと思います。自分の最強の応援団がいるとしたら、それはほかでもない、昨日までの自分の行動であると付け加えておきます。
ある本に、こんなことが書かれていました。
「期せずして思いがけないことが起こることがある。それを『セレンディピティ』と呼んでいる。例えば、Aの扉を懸命に押し開けようとしたら、何ものかの手でBの扉が開かれる。Bの扉の先にはAの扉を開けて得ようとしたものよりもはるかに素敵なものが見える。確かなことはAの扉の前に来ていなければ、Bの扉が開くことはなかったということだ」
明日の自分を応援してくださいね。