社会

今なら言える、学生時代にすべきこと~企業経営者・鈴木茂晴&政治家・平将明

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第7号の巻頭で尊徳編集長と対談した大和証券の鈴木会長と、今号から連載がスタートした内閣府副大臣の平議員に、学生時代にすべきことを聞いた。今の自分がどれだけ”貴重な時間”を持っているのかがわかるはず!

大和証券グループ本社 取締役会長

鈴木茂晴 すずき しげはる

1947年4月17日生まれ。京都府出身。慶應大学経済学部卒。大和証券グループ本社取締役会長。大学卒業後、大和証券に入社し、本店営業部を皮切りに、事業法人部長、引受部長、投資銀行本部長などを経て、2004年、社長に就任。2011年より会長。

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 衆議院議員

平 将明 たいら まさあき

1967年2月21日生まれ。早稲田大学法学部卒。衆議院議員(4期)自由民主党 選挙区:東京4区(大田区)。内閣府副大臣(第3次安倍改造内閣)。サラリーマンを経て家業を継ぎ、経営者として働く傍らで公益社団法人「東京青年会議所」理事長を務める。2005年、初当選し政治家に。自民党経済産業部会長、衆議院決算行政監視委員会理事、経済産業大臣政務官、衆議院内閣委員会理事などを歴任し、現職。現在4期目。

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企業経営者・鈴木茂晴の場合「もう一度学生をやれるなら勉強したい」

私の学生時代は、人に自慢できるようなものじゃなかった(笑)。今の学生の人たちはすごく勉強しているし。意見など言えない。自慢じゃないけど、いい年になるまで落第をする夢を見たくらいですから(笑)。

私自身は、もう一度学生をやれるなら勉強したい。それはなぜかというと、社会人になって3年目くらいに実家に帰って学生時代の本を読んだら、すごく興味深くて面白かったから。以前はそんなふうに思わなかったのに、それだけ不真面目な学生だったということです(笑)。ということで、学生はそのまま勉強を頑張ればいいと思います。時間があるわけですから。

私は社員によく言うんですよ。学生時代は学費を払っているのだから、何をしても構わない。ある意味お客様ですから。自覚の問題です。でも、”働く”ということは給料をもらうわけだから、プロとしてそれに見合うだけのことはやらなければダメです。そうしなければ会社は給料など払ってくれません。

だから”自分探し”とか甘いことを言うのはおかしい。みんな必死に生きているんです。一方で汗をかいてみんなで稼ぐということは何にも勝る幸せだと思います。例えお金が有り余るほどあって、遊んで暮らしていたとしても、それが幸せだとは思えません。労働の対価によって得たものが何よりの幸せだと思います。

政治家・平将明の場合「恵まれた環境にいる自覚ゼロでしょ?」

勉強する機会が与えられているということが、大学生としての立場における優位性。だからしっかり勉強するっていうのは大事ですよ。恵まれた環境にいる自覚ゼロでしょ? 私自身も当時、何でまじめに勉強しなかったのかなと、今ものすごく後悔してます。でも社会人に出たらそんな時間ないんですよ。

「いろいろ経験しました」っていう人は多いけど、勉強してないことが多かったりするんだ(笑)。勉強以外のアドバイスをする人が多すぎちゃって、「ボランティアをした」とか「世界を巡ってきました」とか、それはそれでいい経験だんだけど、しっかり勉強しないと。

あと、ある程度インテリになってくると、自分の社会観、世界観、価値観で、おかしなことはおかしい! そんな不条理は許せん!という思考回路になりやすい。だけど、社会に出て世界を見渡せば不条理の塊なわけですよ(笑)。だから不条理を不条理だといって相手を論破して終わるんじゃなくて、不条理として受け止めて、それを周りの仲間を巻きこんで明るく前向きに解決できる人材っていうのは、企業だろうが国際的なNPOだろうが政治の世界だろうが、どこにでも必要とされる人材。そういうことを頭に入れながら日々生活すれば言動が変わってくるし、成長するんじゃないですかね。