経済

投資はじめて物語~30代の金融オンチが投資に挑戦!

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株式市場、デイトレーダーくらいは聞いたことがある。でも意味はイマイチわからない。もちろん、株をやったことなんてない。そんな男が一念発起して投資デビューすることを決意。だが、極め付きの金融オンチは証券口座を開設するところからすでにつまずき気味……。果たして投資を理解し、実践的な投資術を手に入れることはできるのか! 前途多難な物語が今、始まった――。

投資はじめて物語 3ヵ条

  1. 簡単・実践的
  2. 儲けに走らない
  3. すべては自己責任

[1]証券会社を選ぶ
初心者は店舗を持つ証券会社がベスト

投資を始めるためには、取引するための”口座”が必要だ。口座を作れるのは、店舗を持つ証券会社をはじめ、店舗のないネット証券などがあり、商品数は少ないが銀行でも開ける。メリットはそれぞれあるが、金融オンチ的には店舗で店員に聞きながらできる証券会社がいい。というか、それしかない。

証券会社といえば、かつての4大証券(今は野村証券と大和証券しか残っていない)が頭に浮かぶ。野村はなんとなく敷居が高いイメージだし、今回は大和を選ぶことにする。

[2]証券口座を開く
口座開設のために証券会社の店舗へ

大手証券会社の店舗は全国にあるから、ネットで探せばすぐ見つかるはず。証券口座の開設は銀行口座と同じようなものだ。店舗に行くとカウンターに通され、マンツーマンで開設まで案内してくれる。持参するのは、【印鑑(届け印)】【本人名義の金融機関口座】【身分証明書(免許証、健康保険証など)】の3つ。「総合取引口座申込書」というものに必要事項を記入して、捺印するだけ。これで証券口座の準備はOKだ。

さて、問題はこの先。投資商品に関する大量に渡されたリーフレットやパンフレットを眺めると、ちょっと目まいが……。

少額投資の場合に得する NISAを利用してみる

2014年1月から始まったNISA(少額投資非課税制度)とは、NISA口座で取引した株式や投資信託の売買益や配当が非課税になる制度。2013年までは10.147%だったが、2014年からは20.315%が課税されることになったから、少額投資をする場合は結構な得になる。
ただし、ちょっとだけルールがあるので要確認。

●20歳以上が対象。すべての金融機関で一人1口座しか持てない。
●年間100万円まで。5年で最大500万円まで。
●非課税になるのは投資をした年から最大5年間。
●NISA口座を開設できるのは2014年~2023年の10年間。

※NISA口座は通常の証券口座とは別。開設には、書類記入や住民票の写し(証券会社に取得を委任することもできる)が必要。

[3]投資のジャンルを知る
基本は簡単。深入りするならリスクを覚悟

金融オンチにとって大きな関門がここ。投資をするためには基本的に証券会社で用意している商品を購入することになるのだが、さすがに居酒屋のメニューのようにはいかず、初心者からすると複雑極まりない。
そこでいちいち店員に確認してみる。ポイントは、【投資のジャンルが複数ある】ことと、ジャンルのなかにも【さまざまな商品がある】こと。

まず、投資のジャンルは大きく分けて2つ。1つめは企業が発行する【株式】を買って株主になるもの。2つめは、国や地方自治体、企業が資金調達のために発行する【債権】を買って利息を受け取るもの(株式と似ているが満期日や利子が決まっている)。ほかにもFX(外国為替保証金取引)、先物取引などのハイリスク・ハイリターンな商品、金や不動産、外貨預金などもあるが、1、2以外は初心者にはハードルが高いだろう。

そんななかで何を選ぶかだが、上記1、2のジャンルを組み合わせた【投資信託】というものがある。投資信託とは、投資家(僕らのこと!)から集めたお金を専門家が運用して、得た損益を分配するもの。株式だけだったり、債券だけだったり、それらをバランスよく組み合わせたものだったり種類はさまざまだ。

株や債券を単独で買うには知識が必要だが、投資信託は知識のある人に任せるので初心者向きといえる。だが、専門家に任せるだけあって手数料があることを覚えておかなければならない。手数料は購入する商品によって変わるので、その辺は利用する証券会社を選ぶ際の基準になるだろう。

[4]投資信託の商品を選ぶ
資金と自分の性格に合ったものを選ぶ

投資信託の商品から選んだのは、「ダイワ・インデックスセレクト JPX日経400」。東証上場銘柄のなかから、日本取引所グループ(JPX)、東京証券取引所・日経新聞社が算出した銘柄を組み合わせた商品。まるで呪文のような説明だが、要するに株式の損益が発生する商品だ。選んだ基準は、担当が薦めていたことと、購入時の手数料ゼロ、NISA専用ファンドという点。また、細かい管理が面倒なので【積立】をして毎月定額購入し、【分散投資】することでリスクを減らすことにする。

知らなかった預金のリスク
金融に興味のなかった人間が、なぜ投資を始めようと思ったか。それは、【預金のリスク】の存在を知ったから。

30年間生きてきて考えもしなかったが、預金はインフレによって目減りしてしまうのだ。例えば、20年前に100円で買えたジュースが、今は130円。100円の価値は8割弱になっているということ。銀行は元本割れしないが、現在は超低金利(高くても0.3%程度)。アベノミクスでインフレに向かうということからも、預けているだけでは目減りする可能性は無視できない。

ということで、経済と連動して価値が変動する投資商品を資金運用に加えるに思い至ったわけだ。投資だから当然リスクはある。すべては自己責任。深入りするならそれなりの覚悟が必要だが、この企画では、リスクは低いけどちょっと得する、そんな投資を目指して実践していく。

さて、どうなるか。運用については別の機会にお伝えしたいと思う。