時事通信によると、JTBはグループ2社の社員に対し、14日投開票の衆院選について公明党へ協力するよう要請したそうです。
同社の監督省庁である国土交通省大臣・太田昭宏氏(公明党)は東京12区から立候補していて、JTBは大口顧客である創価学会(公明党の支持母体)から協力をもとめられ、公明党と太田氏を支援する署名集めを協力するよう要請したとのこと。
同社広報は、任意で協力を求めていてコンプライアンス上は問題ない、としています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.任意だから問題ないと言っていますが、事実上”支援”だと思います。修学旅行や官公庁の旅行を扱う大手企業が、社員に特定政党の支持要請を行うことは問題ないのでしょうか?
A.道義上は問題ありでしょ。
だけど、法律違反ではない。言われたところで、署名集めや投票は自分の意志だから。「投票しなければクビにする」などと圧力をかけたら、これは企業として存在する意味はないけど。
こういうの、実は普通にあることなんだよ。候補者が会社に訪問に来て朝礼であいさつするなんて日常茶飯事だし、経団連企業は普通に自民党を応援してるし、社内にポスターを貼ってる企業もある。
ただ、取引上の関係で応援してくれっていうのは初めて聞いた。
日本国憲法の19条には「思想・信条の自由」が明記されているので、誰も政治的信条を左右することはできない。しかし取引上必要だからといって、会社の上司が部下に、特定政党を支援してくれって言うなんて、JTBは恥だと思わないのだろうか?
公明党も政策の良さをアピールするならともかく、取引上の話であれば優越的地位の乱用、遠まわしの買収みたい……。
Q.これがOKなら、企業と密接な関係にある政党が自然と強くなりますよね? 政治家ってそういうふうに選ばれているんですか?
A.そう。
公明党は創価学会が大きな支持団体だし、自民党は各種団体が支援してる。それこそ医師会、薬剤師協会などなど、挙げればキリがない。民主党だって労働組合が支持してるし、それは構わないんじゃないの? それを踏まえて、自分がどこの党を選ぶかだから。
ただ、誰も強制することは許されない。
(佐藤尊徳)
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