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「キンキンと辛口」 編集長・佐藤尊徳がこの夏のアサヒスーパードライを探る!

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銀座線浅草駅から地上に出ると、6月とはいえ強い日差しが照り付けている。新緑の季節も過ぎ去り、もはや夏である。見上げれば目の前にはアサヒビールの本社。暑い日にはキンキンに冷えた琥珀色の飲み物が恋しくなる。今年もビールの季節がやってきた!

10月1日からは、ビール系飲料の税率が350ml缶あたり「54.25円」に統一されるため、発泡酒や新ジャンルは約7.26円の増税だが、ビールは約9.1円の減税になる。そのため、ビール回帰が鮮明になると言われており、各社とも自社の強みをいかした戦略を打ち出している。1987年の発売以来、業界トップを走り続ける「アサヒスーパードライ」もまた、「スーパードライ3.0」と銘打ち、そのうまさに磨きをかけるという。

さっそく、アサヒビールのビールマーケティング部長を務める野間和香奈氏の話を聞こうと本社のある墨田区吾妻橋を訪ねたが、その前に、まずは、味と価値を再確認するため、隣接するスーパードライブランド唯一のコンセプトショップである「BEER DINER SUPER DRY TOKYO」に立ち寄ることにした。

今年3月にオープンしたコンセプトショップは、徹底的に「冷え」と「注ぎ」にこだわり、最高の状態のスーパードライを飲むことができる。話を聞く前に、さっそくマイナス2.2℃の「エクストラコールド」を出してもらい、キンキンに冷えたドライを一気に流し込む。炭酸の刺激が喉を喜ばせ、スーッと全身に沁み入る。いくらでも行けそうだが、あくまで取材、自重しよう。

プロが注いだ氷点下のビールなのは確かだが、なぜ、ここまでうまくなるのか。スタッフの菅原さんに聞くと、温度やサーバーの管理やガス圧はもちろんだが、グラスの状態にも秘密があるという。「凍らす方がいいと思っていらっしゃる方もいますが、霜がついてしまうと味のバランスが崩れ、泡立ちもうまくいかないので、グラスは冷蔵し、だいたい2℃が適温」とのこと。後は、グラスの汚れも気泡ができるのでご法度だという。こうした丁寧な仕事が話題を呼び、わざわざ海外から訪れるお客さんもいるのだそうだ。1階にあるグラスの底からビールが湧き上がる「トルネード・ディスペンサー」からの一杯をさらにいただき、この夏のスーパードライについて野間氏のもとを訪ねた。

なぜ、40年近くも愛されるのか!?

佐藤 いま、隣のコンセプトショップでいただいてきました。やはりキンキンに冷えたビールはうまいですね。

野間 とくに、暑くなってくると美味しさが際立ちますよね。実は、私も一昨日、仕事帰りに寄ったんですよ(笑)。

佐藤 そうなりますよね(笑)。さて、さっそくですが、今年10月に、独自の魅力である「辛口×冷え」をさらに磨いてリニューアル「スーパードライ3.0」を行うとのことですが、改めて「辛口」とは何か。「スーパードライ1.0」といえる1987年の誕生から遡って教えてもらえますか。

野間 当時のビールはコクがあって苦いというのが主流でしたが、食生活や嗜好が変化し、洋食や中華のように味がはっきり、しっかりした料理が増えてきたので、一緒に飲まれるビールが模索されていたようです。その時に、爽快さやキレ、それから飲みごたえのある味に行きつき、それを「辛口」と表現してスーパードライが生まれたわけです。

佐藤 当時から、これはいけるなと言う自信があったんですかね。

野間 開発された方に伺ったことがあるのですが、開発時から手応えがあったそうです。また、当時はアサヒビールの業績も良くなかったので、新たな提案をしていこうという気運が高まっていったと聞いています。

佐藤 アサヒではなく夕日ビールといわれていましたからね。でも、発売して少し経った頃、当時、学生だったのですが、大人がまだラガーを飲み続けているなか、アルバイト先の先輩たちがスーパードライに乗り換えたんです。その姿を見て、世代とともに嗜好も変わるのかと思いましたね。とはいえ、またすぐに新たなビールがその地位を奪うだろうと思っていたんです。ところが、インターネットやAIの登場で世界が一変しても、スーパードライだけは変わらず飲まれている。改めて、これは凄いことなんだと思いますね。

野間 私もずっとマーケティングの世界にいて、アサヒビールには転職で入ったのですが、入社時に、国内における FMCG(食品や洗剤、飲料などの日用品)のなかで、スーパードライが圧倒的なナンバーワン商品だと聞いて、びっくりしました。

ビールマーケティング部長を務める野間和香奈氏

佐藤 リニューアルしたのも発売から36年目の2022年。この「スーパードライ2.0」はどんな変化だったのですか。

野間 時代や嗜好の変化に合わせ、キレや飲みごたえを向上させ、見た目もスタイリッシュに進化し、おかげさまで好評をいただきました。もうひとつ、辛口を苦いと思われる誤解が生まれていたので、その解消も目指しました。例えば、スーパードライの缶にカーブのラインが入っているかと思いますが、この辛口カーブは冷えると青く変色しますが、それだけでなく、最初のグッと上がるところが、まさに喉を通る時のイメージで飲み応えを表し、そのままキレ味がスーッとひいていくという、“辛口”を表現しているのです。

佐藤 なるほど、おもしろいですね。とはいえ、また4年で3.0へのリニューアルとは早すぎる気もしますが。

野間 2.0が時代へのアップデートだとすれば、今回の3.0は味というよりも、辛口とともに大事にしている「冷え」、冷やしたときに最高にうまい「辛口」を追及したので、変化というよりは進化です。

佐藤 「冷え」に合わせた進化ということですか。

野間 はい、麦芽の比率を少し上げ、ホップの品種も最適化して、より冷やして美味しいビールです。また、一般的にお客様が飲み始める温度が3℃くらいで、飲み終わりが平均で10℃くらいになるのですが、その温度でも辛口のうまさが向上するように設計されています。

うまさ際立つ、冷凍庫の「3分間」

佐藤 スーパードライ3.0は酒税改正の10月1日からの投入になるので、この夏は「冷え」に特化していく感じですか。

野間 そうですね。飲食店の方では、ビールの提供温度を4℃未満で提供する「スーパーコールド」認定店や氷点下で提供する「スーパードライ エクストラコールド」設置店、飲む瞬間の冷たさを実感できるアルミ素材の「キンキンタンブラー」の取扱店など、「冷え」を体験できる飲食店が全国で3万店以上ありますから、飲食店でしか味わえないビール体験を楽しんでいただければと考えています。

佐藤 家庭で「冷え」を楽しむための最適な飲み方は。

野間 冷蔵庫で冷やしていただいたスーパードライを、飲みはじめの3分前に冷凍庫に移していただくと1℃下がって、より美味しく飲むことができます。冷蔵庫もよりよく冷やそうと思えばチルド室がいいですね。ただ、20分以上凍らせてしまうと缶が変形したり、場合によっては破損の恐れもあるので注意してください。

佐藤 なるほど。

野間 それからコップに移して飲まれる方と、缶のまま飲まれる方がいらっしゃると思うのですが、3分間、冷凍庫に入れていただくと冷たさをよりダイレクトに感じられるので、缶のまま飲んでいただくか、あるいは我々がご提供しています「キンキンタンブラー」を冷やして使っていただくことがさらに美味しく飲んでいただくコツですね。

佐藤 さらに期間限定、数量限定のスーパードライもありますよね。

野間 冷えに特化した限定商品で、ホップを変更して冷涼感、キレ感を高めた「スーパードライ冷涼辛口」と炭酸を強めにした「スーパードライ爽快辛口」もありますから、いろいろ楽しんでいただけるのではないかと思っています。来年、2027年3月17日にスーパードライは40歳を迎えますから、この夏さらにお客さまから選ばれるブランドを目指して次につなげていきたいと考えています。

佐藤 この夏も長く、酷暑になりそうなので、キンキンに冷えたスーパードライのお世話になりそうです。本日はありがとうございました。