私は選挙権を付与されてから、選挙に行かなかったことはない。当然権利だと思っているからだ。被選挙権を行使したことはないが、権利を行使しないで意見を言うことはできないと思っているし、自らのアプローチで政治を変えていきたいと本気で思っている。国民それぞれが自分の権利を守るために行動しなければ、国は劣化していくだけだ。
おかしいところだらけの2014年総選挙
2014年末に総選挙が行われた。任期を2年残し、しかも2ヵ月前には内閣改造までしておきながら、何のための解散かよくわからなかった。
私は個人的に安倍総理と懇意にしていただき、応援団を自任しているのだが、いちジャーナリストとしては、この解散はまったく理解に苦しむものだった。消費税法案には景気条項が付いていたので、増税を延期するのは国民の信を問うものでもなかろうし、それだけ景気が悪化したのであれば、アベノミクスの失敗ではなかろうか?
しかし、選挙は戦後最低投票率のなか、与党が圧勝し、共産党が議席を倍増させた。いかにほかの野党が有権者に支持されなかったかということの表れだろう。
大体、民主党以下野党は何をしてたんだ? 議員バッジを付けることが目的か? 政権を取って自らの政策を具現化する努力をしないなら、何のために国会議員なんぞやってるんだ?
特に2009年の総選挙に大勝して、政権の座に就いた民主党は2012年の総選挙で惨敗した。その反省を胸に、まずは何が負けた原因で、なぜ国民から支持されなかったのかを考え、謙虚に政策を作り直さなければいけないだろう。そして、負けた翌日から、次の政権を取るために地道に努力し続けるべきだろう。アホみたいに反省だけして、”抜き打ち解散に準備も整わず”なんて怠慢としか言い様がない。
政権交代の唯一のチャンスである総選挙に準備不足などあり得ない。反省して蟄居(ちっきょ)し続けるなら、議員バッジを外してからやれよ、と言いたい。しまいには、野党間で政策の一致がないから協力できないとか言う始末。
野党は政権取る気があるのか?
確かに根本のところで一致しなければ一緒にはできないだろうが、もともとそんなものは国民に支持されていないから、この体たらく(議席がもらえない)なんだろう。小異を捨てて大同につかないと、巨大与党に立ち向かうなど無理だ。
そして民主党代表選では、43歳と若い細野氏が立候補を表明したとたん、「(代表経験者の)昔の名前で出ています」の人たちが立候補を検討。その中で岡田氏が立候補。報道によれば「このままでは世代交代が一気に進んでしまう、という危機感で」だと。彼らが執行部だったから与党になったときも失敗したんじゃなかったか? 世代交代しないともう国民には支持されないことさえもわかってない。100年経ってもムリだな、この党。
イギリスでは保守党に政権を取られた労働党が、41歳の若さでトニー・ブレアを党首に選び、その後政権を奪還している。民主党は何で負けたのかよくわかってないな。
自己満足の大マスコミ報道
それから、大マスコミの報道も気に入らない。告示と同時に情勢分析をするが、果たして必要か? 投票行動に影響しないように、公示後は特定候補の情報など掲載しないようにしているが、「自民党300議席に迫る勢い!」と報道して、白けて投票に行かなかった人を僕は知っている。何のための予測? 数が当たったときの自慢? そんなこと視聴者や読者は求めてるんだろうか。僕の知り合いは余計なことだと憤慨している人の方が圧倒的に多い。もう少し違った報道をしてもらいたい。
2009年の総選挙は、政権交代の期待もあり、国民の70%近くが投票した。結果は民主党が圧勝したが、そのとき負けた自民の比例における得票数(1,880万票)の方が、圧勝した今回(1,770万票)よりも多いのだ。それだけ白けて投票に行かなかった人が多かったということだろう。有権者の政治離れもあるが、大マスコミの罪も大きいと思う。
それと、気に入らないのは出口調査だ。次の日に結果はわかるのに、20時になった途端、「当選確実」の報道。皆様のNHKは全国で数億円かけて出口調査をするらしい。そんなことのために受信料を払ってるわけじゃないんだけど。
われ先に、当確を打つことが使命のように勘違いして、間違って万歳をさせてしまったことが今回もあった。本当に辟易する。たかだか半日早く当選を知らなくても構わない。すべて開票してから、きちんと当選を報道すればよろしい。早さでなく、正確さを競ってほしいものだ。
政治は国民のレベルとはよく言ったもの。こんなことでは将来、この国が本当にジリ貧になるのが見えている。