投資はじめて物語

株式をやる前に知っておきたい6のこと

2015.1.13

経済

0コメント

前回、証券口座を開設してやっと投資の舞台に立てた本企画。今回扱うのは【株式】だ。投資というからにはメインストリームの株式投資はぜひともやっておきたい。ただ待てよ……どの株を、どうやって買えばいいんだ?

投資はじめて物語 3ヵ条

  1. 簡単・実践的
  2. 儲けに走らない
  3. すべては自己責任

[1]まずは株式が存在する理由を知ろう

株式(株)とは、企業が資金を集めるために発行するもの。投資家は株を購入することで企業に出資する。株としての有価証券は現在廃止され、すべてデータで管理。昔のアニメに出てきた富豪が持っていたような、紙でできた「株券」はもう存在しない。

株を通して企業に渡った資金は企業の事業活動に使われ、日本経済を動かす潤滑油となる。売却益を目的に投資する人も多いため、株はマネーゲームの印象を持たれているが、根本には【株主】となり、企業を支える行動があるのだ。

[2]買えるのは上場銘柄のみ

一般的に投資家が買えるのは、規模や利益など、一定の基準をクリアして証券取引所と呼ばれる市場に上場された株のみ。企業名が”株式会社”であればどれでも買える、というわけではない。

市場はいくつかあり、二大証券取引所といわれる東京証券取引所(東証)と名古屋証券取引所(名証)のほか、先物取引などに特化した大阪取引所や、福岡、札幌などにも地方取引所がある。
なかでも東証一部は、売買の多くを海外投資家が占める国際的な市場で、ニューヨーク、ロンドンと並び世界三大証券取引所といわれている。また、マザーズやJASDAQ(東証系)、セントレックス(名証系)といった審査が比較的ゆるいベンチャー向けの市場も。

市場がたくさんあって混乱する……と思うかもしれないが、企業は別として、投資家にとってどこに上場されているかはあまり問題ではない。その存在だけを知っていればOKだ。

[3]証券会社を通して Let’s 取引!

株は証券会社を通して売買。その際、株の値段(株価)は需要と供給の関係によって決まる。最近だと、ゲームアプリ「モンスターストライク」を運営するミクシィの株が、ゲームのヒットよって大きく上昇したのは記憶に新しい。株価の上下は、すべてその企業の人気の度合いといってもいいのだ。

売買は基本的に【単元株数】と呼ばれる単位でしか取引できない。100株や1,000株の場合が多いが、最近は株主を増やし流動性を高めるために単元株数を下げる傾向にある。ほか、単元株に満たない【端株】単位で購入する方法もあるが、売買の方法や、株主優待が受けられないなどの制限がつくことは注意したい。

[4]預貯金にはないダイレクトなメリット

株に投資するメリットはいくつかあって、【配当金】【値上がり益】の2つが代表的。配当金は、企業が年度ごとの利益を株主に分配するお金のこと。なかには3%程度も還元する企業もあり、そうなると、例えば一株100円の株を1万株持っていたとすると、年に3万円の配当が入ることになる。ここが預貯金と株式投資の大きな違いだ。金利が高くても0.3%程度の銀行ではこうはいかない。

値上がり益は、購入価格より株価が高くなったときに売った差額のこと。大きな利益が期待できる場合もあるが……どの銘柄が上がるかはそんな簡単にわかるものではなく、企業の業績や成長度合い、ほかの投資家の動き、さらには国際情勢など株価変動の要因になる外因も観察する必要がある。恩恵がダイレクトな分、リスクが高く、初心者は買い方に注意が必要だ。

[5]好きな企業を応援したい人は

株主になると【株主優待】のサービスを受けられることもある。基本的に単元株を所持していることが条件だが、商品や割引券、チケットなど、企業によってさまざまな優待サービスを用意しているので、好きなサービスを扱う企業に投資するのもいいだろう。

ほかにも、家族が勤めている企業に投資する、ファンだから投資するといった、応援したい企業の株を買う人も少なくない。また、単元株を持っていれば株主総会に参加することも可能。出資するという投資の目的からすると、至極まっとうな買い方だといえる。

[6]忘れちゃいけないリスク

はい出た、リスク。投資には常につきまとうことだから再度確認。株の場合は、購入時より株価が下がったときに売却すると損をするし、業績によっては配当金がストップする可能性もある。

複数の投資商品を組み合わせた投資信託などとは違い、ひとつの銘柄だけを買っていると、株価が下がったときに取り返しがつかない場合もある。だから、いくつかの銘柄を買ったり、一度にたくさん買わずに積立で買ったりするなどのリスク分散は欠かせない。

株式で得をするのも、損をしないようにするのも、とにかく情報が大事。だから世のオジサンたちは経済紙を読んだり、チャートを見たりするんだな。経済の知識を身に着けたければ、株に投資するのが一番手っ取り早いかも。

株式投資のリスク

●株価下落…業績悪化・リコール・倒産の危機など
●売買取引制限…不確かな情報が流れると制限がかかることがある
●買い手がいない…損もしないが資金を動かせない。購入価格より低い株価がずっと続くと売るに売れない。そういう運用されていない状態を「塩漬け」という。