「株で儲けた」という人がいる。彼らはなぜ、その株を買い、利益を出せたのか。それは”情報”を持っていたからにほかならない。今回は、株を取引きするために最も重要な情報の集め方と、基本的な取引方法にフィーチャーする。
投資はじめて物語 3ヵ条
- 簡単・実践的
- 儲けに走らない
- すべては自己責任
情報ツール
[A]「株価欄」より企業の動向! 新聞・雑誌
投資に欠かせないのが日経新聞。でも、玄人向けの「株価欄」はスルーしてOK、読む必要はない。むしろ自分が投資したい企業や業界の情報を日々追い、勘を鍛えておくのに役立てるべき。一方、ネットより速報性はないが、『ダイヤモンド ZAI』『日経マネー』『ネットマネー』などマネー雑誌の編集された特集は、端的でわかりやすく初心者にもおすすめ(本誌もしかり)。絶対的なものではないので、引き出しを増やすつもりで読もう。
[B]投資家のバイブル! 企業情報誌
「会社四季報」
1936年創刊。東洋経済新報社が四半期ごとに発行する企業情報誌。国内の全上場企業を網羅し、財務データや株価の推移など、投資に必要なデータがコンパクトにまとめられている。オンラインも充実。
「日経会社情報」
日本経済新聞社が発行する総合投資・金融情報誌。国内の全上場企業を網羅し、株式・為替から債券、商品、新興国市場などの情報を収録。同紙記者の綿密な取材に基づく分析・解説記事が魅力。
[C]見極めが肝心! インターネット
情報の早さはピカイチ。企業に関する基本的な情報やIR情報を公式HPで公開していることも多い。SNSやブログなど、個人が発信している情報は多彩な反面、真偽のはっきりしない情報も多く鵜呑みにするのは危険。信頼性が高いYahoo!ファイナンスや証券会社のHPを併用するなど、それぞれのサイトの長所を見極めながら情報を集めよう。
[D]困ったら聞ける! 証券会社の店頭
店舗を持つ証券会社で口座を開設していれば、店頭で専門家のアドバイスを聞くことができる。また、顧客の要望に合わせたさまざまな冊子も用意しているので、困ることの多い初心者から要望の多いベテランまで幅広いケースに対応。
買い方・売り方
[A]買う
株を買うといっても、やり方はネット通販するのと同じ要領。まず、口座を開設した証券会社に買いの注文を出す。その際、購入したい銘柄、株数を伝える。また、注文方法が【指値】or【成行】のどちらかも決める(指値注文の場合はいつまでに買うかという注文の有効期限も決める)。
そうすると、注文内容をもとに証券会社が手続きしてくれる。しばらくして取引が成立(約定・やくじょう)したら、約定代金(株価×株数)と手数料、消費税を、口座に預けたお金で清算。
一つ注意しておきたいのは、株を購入する際には基本的に【単元株数】で購入する必要があること。一株あたりは手に届く価格でも、単元株で買うとなったら資金が足りない……なんてこともありえる。資金は多くないが、その株がどうしても欲しい場合は、単元株数の10分の1単位で買える【株式ミニ投資】でコツコツ買う手もあることを覚えておこう。
[B]売る
上記の「買う」を「売る」に変えるだけ。注文が成立した日を含めて4営業日目に受取金が口座に入金される。
株式売買に必要な[超厳選]キーワード4
指値注文 さしねちゅうもん
売買する値段を指定し、株価を優先する注文方法。「500円の指値で1000株」といった注文の仕方をする。指定した値段以外の値段では注文が成立しない(多少ズレることも)ため、設定した値段によっては取引相手が見つからず約定しないこともある。
成行注文 なりゆきちゅうもん
売買の成立を優先する注文方法。低い価格から買い、高い価格から売る。指値と注文が重なった場合は成行が優先。即座に注文が成立するが、出来高(取引の多さ)が少ない銘柄では、予想と全然違う価格で約定することもあるので注意。
単元株数 たんげんかぶすう
売買するために必要な株数。単元株数は企業によって異なり、100株や1000株に設定している企業が多い。例えば、株価500円の銘柄の単元株数=100だとしたら、最低購入価格は5万円ということ。単元株数=1という銘柄もある。
株式チャート
過去、株価がどのように変動したかを表したもの。株価予想に欠かせない。いかにも投資っぽい折れ線グラフはわかりやすいが、投資家なら誰もが参考にするため、人の思惑が入り、見た目通りには動かない。上がっているから今後も……なんて早合点は禁物だ。奥が深いと心得ておこう。