もはや芸術の域! ロボットと人の手が織り成す驚異の植毛手術

2015.3.10

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“植毛”の分野を画期的に進歩させた移植毛採取ロボット「ARTAS」。正確無比の精密機械だが、採取した毛を頭皮に定着させるのは繊細な人間の手によって行われる。もはや芸術ともいえる匠の技術の秘密をドクターに聞いた。

湘南美容外科プロデュース ルネッサンスクリニック福岡院 院長

長井正寿 ながいまさとし

久留米大学医学部卒業。久留米大学泌尿器科勤務後、毛髪移植科。2003年、ナガイクリニック開業。2011年、ウエルネスクリニックグループ総院長就任。2013年、湘南美容外科及びルネッサンスクリニック勤務。
アメリカ毛髪学会専門医/スポーツドクター/JATECプレインストラクター/日本臨床毛髪学会前学会長 現理事/イタリア国際毛髪学会会員/アメリカ国際毛髪学会会員/日本形成外科学会会員/日本皮膚外科学会会員/日本救急外科学会会員

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感覚を要する植毛は人の手で

毛髪採取はARTASで正確に行うことが可能になったが、植える作業はより感覚的で、熟練した専門医の判断が必要になるため、ロボットによる施術は不可能。生えている毛髪の毛穴の状態を確認し、最適な状態で植え込みを行っていく必要があるのだ。

ルネッサンスクリニックによる植毛後の毛髪定着率は90%以上を誇る。定着率にも大きくかかわる植え込み技術の高さについて、長井医師に聞いた。

技術の高さを裏づける17,000件の治療実績

「生え際や前頭部位は、見かけの上でとても重要な場所です。この部位の密度を特に上げることで植えた髪の数以上にボリュームのある効果を達成します。これは”魔法の密度”と呼ばれています」(長井医師)

ARTAS

ARTAS
0.1mm刻みのブレードで正確に”毛穴”を作っていく。

毛髪の生える向きや毛穴の角度は、つむじの流れに影響を受けるため、どれもバラバラ。新しく植える毛が生えている毛の流れに馴染むよう、毛穴の向き・角度を慎重に確認しながら作業を進めていく。その繊細な作業は、熟練したスタッフによる高度な技術が必要となる。

植え込む向きを判断したら、株のサイズにあわせて0.1ミリ刻みのマイクロスリット(毛穴をつくる針)を作成。場所や毛流に合わせて使い分け、最適な場所、角度、向きの毛穴を開けていく。そして、専門スタッフが顕微鏡を見ながら手作業で、一本一本株分け作業を行い、ティアドロップ型の毛根に仕上げられた毛髪を素早いスピードで植え込んでいくのだ。

施術後、植えた毛髪は定着して生え変わるまでに数ヵ月かかる。徐々に、自然に増えていく植毛は、いきなりのボリュームアップで周囲に気を使われる心配もない。最近は薬なども認知されてきたが、確かな実感を求めるなら、植毛は大きな効果を発揮するだろう。

ルネッサンスクリニック