欧米では一般的だが、日本では普及していない広告宣伝費のデューデリジェンスを行う会社が誕生した。
株式会社マーセナリ 代表取締役社長
吉田武郎 よしだ たけお
かつては売上至上主義でマーケットを拡大してきた量販店だが、競争が激化する中、利益重視主義への転換が進んでいる。そのためには継続的なコストの削減が勝敗の要だと言っても過言ではない。量販店は莫大な経費を広告宣伝費に掛けているが、果たしてその広告宣伝費は適切に使われているのだろうか?
会社の業績を良くするために、広告宣伝費や販管費を削減しようとすると、従来はオークション会社を集めて相見積もりを取り、一番コストが低いものに決めるということがされてきた。しかし日本では特定の印刷会社と広告代理店が全体のシェアの大多数を占めているため、なかなかコスト削減できないのが現状だ。また、安易にコストを削減しては、売上に影響を及ぼしかねない。そこで、経費の有効活用のためには、何が必要で何が無駄なのかを精査する専門家が客観的に見た業務改善が必要になる。
マーセナリは”ロスプリベンション~無駄を省く~”の概念で増加しがちな広告宣伝費と販促部人件費のコストアップを予防し、さらにそれらを削減すること(コストプリベンション)で他の活動の展開を可能にする。
家電量販店「ラオックス」の経費低減の依頼の際は現状の人的コスト分析と改善目標値を提案し、販促部と協働しながらワンストップで企画から実施までをフォローすることで、固定費の削減に寄与した。
「広告宣伝も時代に即した形に組み直す必要があります」と話す吉田社長。顧客情報を管理し、分析したうえで、チラシの折込部数を変更したり、お店づくりを変更すれば、欲しい人に欲しい物が届く仕組みができ、必然的に広告宣伝費は削減できるという。例に挙げたラオックスをはじめ、大手ホームセンターや大手コンビニエンスストアなど他業種のノウハウが蓄積されることで、ますます”目利き”が正確になるだろう同社の今後の成長に注目したい。