秘密保護法案、法案「修正」の落とし穴

2013.11.21

政治

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国家機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案を巡り、与野党の修正協議が佳境を迎えている。争点の一つが秘密指定の妥当性をチェックする第三者機関の設置。与党は日本維新の会に法案の「附則」に検討を盛り込む修正案を提示したが、ここには落とし穴がある。

 附則とは法令の施行期日や経過措置など、本則を補足する項目を定めたもの。与野党の修正協議では、しばしば妥協案として「政府は早期に~について検討する」などと附則に書き込むことがある。
 しかしこの附則はあくまで「検討」を定めているだけであり、実現するかどうかは不明。そして自民党はごく最近にもこの附則をひっくり返した「前科」がある。
 その法律とは憲法改正の具体的な手続きを定めた国民投票法。本則は国民投票の有権者を「18歳以上」としており、附則でこの法律の施行までに公職選挙法の投票年齢を18歳以上に、民法の成人年齢を18歳に引き下げるよう「必要な法制上の措置を講ずる」と定めている。
 しかし自民党は今月、国民投票の投票年齢を「当面20歳以上とする」と決めた。党内に投票年齢や成人年齢の引き下げへの異論が多いため、附則を「無視」することにしたのだ。
 秘密保護法案の第三者機関設置についても、政府・与党が約束を守るかどうかわからない。口だけの「修正」に騙されてはいけない。