人から薦められたものが、予想外に悩みを解決してくれることもある。ひょんなことから佐藤康行氏に出会った尊徳編集長が、彼の著書をレコメンド。心の処方箋です。
佐藤康行 さとう やすゆき
続きを見る師匠も佐藤康行さんも不幸を肯定できる人
著者の佐藤康行さんに興味を持ったのは、ものの考え方が、私の師匠・佐藤正忠氏によく似ているからだ。正忠氏の講演を聞いて、感銘を受けたというのだから、縁を感じずにはいられない。企業をおこして、脳梗塞を発症し、半身に障害を持つところまで一緒だ。そして2人とも、そのことを肯定しているところが常人ではない。
不幸な出来事があると、恨み言を言いたくなるものだ。しかし、その”おかげ”で今の自分があるんだと思えば、不幸も不幸でなくなるし、生かされていると思えば世の中に感謝をすることができる。要は心の持ち方一つで、物事の見方はまったく違ってくるというものだ。2人の場合、実体験が背景にあるものだから説得力は尋常ではない。
あってもなくても不安になるのが「お金」だ。だったら自分の考え方を変えてお金に左右されない価値観を持てばいいと佐藤さんは説いている。お金に対する不安が消えたところで、最後のまとめはお金とは関係のない話、生き方の不安までも取り除いてくれる。何かに迷ったら読み返してみようと思った。(佐藤尊徳)
本書からpick up
目からうろこの名言!
お金とは、川の上を流れる木の葉だ
「川」とは「心のあり方」だと佐藤氏は語る。心が泥水に向かって流れていれば、木の葉(お金)もそこに流れてしまう。しかし、心が清らかな場所に流れていれば、そちらに流れていく。お金に良い・悪いはなく、大切なのはどこから来て、どこへ向かっているのか。どういう形でお金を稼ぎ、どのように使うのかを見つめ直すことが、お金の不安を解消する第一歩である。
「せい」を「おかげ」に変えたことで、「いま」の自分がある
若い頃はコンプレックスの塊だったという佐藤氏は、それを「貴重な財産」、「運命を変える起爆剤」と捉えることで、さまざまな悩みを解決し、大きな成功を収めた。経済的な問題をはじめ、自身の身にどんな不幸が降りかかったとしても、不幸の「せい」にするのではなく「おかげ」と認識すること。そこに、いま見ている世界を変えられる心のカラクリがあるのだ。
書籍概要
『お金の不安が消える本』は、貯金や資産運用にまつわる”テクニック”が紹介されているわけではない。お金を持っていてすら不安を感じてしまう人間心理の根本を変える、実践哲学書と呼ぶのが適切だろう。営業メソッドをはじめ、人間関係やお金問題に関する研修・講演を精力的に行い、15万人以上の人生に影響を与えてきた佐藤氏が、お金の不安を消していく考え方から始めて、お金を引き寄せる生活術や自分らしく楽しく生きるコツまでわかりやすく説いてくれている。本書を読み終える頃には、お金のある・なしと「お金の不安」がまったく関係ないことを理解できるだけでなく、どんな苦境に立たされても前向きに生きていける人間力を身につけることもできるはずだ。