日本経済新聞社が、2016年春の採用計画調査(最終集計)の結果を発表、大卒採用者数は10万1398人で、2年連続で2桁を超えました。
好調なのは製造業で、15年度春と比べると12・3%増。2年連続で2桁の伸びを見せています。製造業のカテゴリ内19業種の内18業種が15年度春の実績を上回りました。中でも東芝や三菱、IBMなどの電機が20・1%増と製造業の伸びを牽引しています。
また、中途採用者もイオングループやセブン&アイ・ホールディングスの小売、すかいらーくなど外食などを中心に8・7%増加。新卒者のプラスと合わせて景気の好調を感じさせますが、一方で人材不足を背景とする即戦力確保の動きが見られています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q製造業の2桁の伸びは、業界の好調が即座に採用数増加に結びついたのでしょうか?
Aそうだねぇ。業績が悪い時に大量採用はしないから。でも、それだけじゃない気がするよ。
今まで採用を抑え気味だったのを正常に戻した、ともいえる。ただ、これから、少子高齢化で人材は不足していくだろうから、今のうちに優秀な人材は採っておこう、という気持ちの表れだね。
それに、企業が永続的に発展しようとするなら、無理してでも人材を採用していかないと、伸びていかない。以前、日産の不況時に3年ほど新卒採用を止めたときがあった。最後の新入社員は(3年間は)いつまでも一番下のままだから、きついよね。
今は人材が不足しているし、好調な業積の裏付けもあるから、採用増になったのでしょう。
Q採用全体で見ると、実は中途採用の計画数も増加しています。日本は人手不足に今後どう立ち向かっていくべきなのでしょうか?
Aあるべき、潜在リソースを使うしかない。まだまだ方策はあると思う。
例えば、女性の活用。今は政府も率先してやってるでしょ。ほかには高齢者。年金財政が破たんしかけてるんだから、これを活用しない手はない。働きたい高齢者はたくさんいるだろうし、平均寿命も延びてるんだから、活用の仕方はあると思うよ。
これを行政一体で制度を作っていくことが大事。あとは外国人の受け入れをしないといけないんじゃないかな? 移民の問題は単一民族の日本はかなり拒絶感があるようだけどね。
(佐藤尊徳)
[参考:「製造業、採用12%増 本社調査 大卒、2年連続で2桁」(日経新聞1面 2015年4月27日)]
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