東京証券取引所などが6月18日に発表した2014年度の株式分布状況調査によると、15年3月末時点で、外国人の株式保有比率は全体の31.7%。1年前より0.9ポイント増え、過去最高を更新しました。3年連続の増加です。
外国人の保有比率は金額ベースで31.7%になり、日本企業の最大の株主となりました。企業収益の拡大期待や、日銀の追加金融緩和で日本株の先高観が強まったことが背景。上場企業では外国人の存在感が一段と高まり、企業に資本効率の改善を求める声が強くなりそう。
また、買い手として外国人を上回ったのが信託銀行で、買越額は3兆5038億円と、外国人と比較して約1兆円の差があります。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q金額ベースでの保有比率は外国人が最大であるのに対し、買い手としては信託銀行が外国人を上回るとあります。買越額とはなんなのですか?
A株式は売買するものでしょ。売った金額よりも買った金額が多いということ
買った金額よりも、売った金額の方が多ければ当然株価は下がる。株は、買い手がいなければ値下がりするし、買い手がいれば価格は上がるからね。
信託銀行は今後も企業の業績が上がると見越して日本の株式を買い越してるんでしょ。だから株価が上がってるんだね。
Q国内の個人投資家と外国人投資家では、企業に求めるものはどのように変化するのですか? これを受けて企業はどのように変わっていくのでしょう。
A国内も海外も基本的には変わらないよ。企業価値を高めて、業績を上げてほしいと願ってる。
海外の株主はそれ相応に経営に対して厳しく注文する傾向にあるから、外人投資家が増えると経営にも緊張感があるといわれてる。
どちらかというと、国内の株主は”物言わぬ株主”で、経営者に一任するという傾向が強かった。特に、銀行などの金融機関は大量の株式を保有しながら、経営に口出しすることはあまりない。
だけど、最近はそれも変わってきて、生命保険会社などの巨大投資家が会社提案に反対票を投じるなど、ようやく物言う株主になってきたよね。
(佐藤尊徳)
[参考:「外国人の株保有、最高 14年度31.7%」(日経新聞朝刊3面 2015年6月19日)]
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