経済

絶対に余る輸入米がTPPの交渉材料になる不思議

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 長期間にわたって協議している環太平洋経済連携協定(TPP)について、日米協議に進展がありました。

 日本製自動車部品50%超の関税が即時撤廃、自動車も10年かけて撤廃となる方向が固まり、焦点はコメの輸入量に移っています。17万5000トンの関税撤廃枠を要求するアメリカに対し、これまで日本は5万トンが限界だとしてきましたが、7月に入ってから輸入枠の上積みも検討し始めました。

 しかし、日本国内の消費量が年間8万トン減っている現状をみると、TPPによるコメ輸入量は10万トンを下回らないと国内農業が耐えられないとの見方が強く、協議は難航しそうです。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

QTPPはずっと交渉している印象ですが、いつ終わるのですか? 自動車関連をみる限り、日本は有利に交渉を進めている気がしますが……。

A国益のぶつかり合いだからそう簡単にはいかないよ。でも、そろそろ終わる。

 交渉は、少なくとも有利とは思えない。国際的に強いアメリカとの交渉だから、日本が有利に進められることはそうそうないよ。どちらも国内事情で譲れないところのせめぎ合いだから、簡単に決着はつかないよね。


Qコメの関税が撤廃されても、消費者は日本産を求めると思うのですが、輸入されたコメはコンビニ弁当やおにぎりなどに使われるようになるのでしょうか?

Aコメの関税が撤廃されることはまずないよ。100年先はわからないけど。

 年間700万トンくらいある日本のコメの消費量からしても、交渉中の輸入枠は大したことないでしょ。それに、もともと減反(コメの生産調整)しているくらいだから余るだけだよね。
 
 将来、万が一、関税が撤廃されてカリフォルニア米などが入ってきたとしたら、消費者が輸入米を買わないと言えるだろうか。コメの関税は778%もあるんだよ? 価格が5分の1で同じ量だったらどっちを買うかな?

 以前輸入されたタイ米は少し日本米とは種類が違ったけど、カリフォルニア米などは同種類なので、そんなに味は変わらないしね。

[参考:「コメ・知財 なお隔たり TPP、あすから首席会合」(日経新聞朝刊5面 2015年7月23日)]

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