社会

バリアバリューで社会を変える~三菱商事の障がい者支援プロジェクト「スポーツのちから@丸の内」

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10月3日に開催された「スポーツのちから@丸の内」は、2014年に障がい者スポーツを応援するプロジェクト「DREAM AS ONE.」を立ち上げた三菱商事が企画したスポーツイベント。東京・丸ビルと三菱商事ビル1階のMC FORESTで行われ、プロジェクトに賛同する多くの人たちでにぎわった。イベントでは、障がい者スポーツの体験会や用具の展示をはじめ、障がいのあるアスリートらのトーク&セミナーを開催。彼らの等身大のエピソードに、会場は大いに沸いた。

障がい者の視点で語られるトークや、障がい者スポーツの体験を通して人々に芽生える心の変化は、やがて行動へとつながっていく。2020年の東京オリンピック・パラリンピックやその先にある高齢化社会には、多くの人たちの行動が必要だ。熱心なサポーターに支えられたイベントは、そこに向けて大きなうねりを生み出すきっかけになったはず。

公開ラジオ収録 with 室伏広治&河合純一

DREAM AS ONE.のイベントではおなじみのJ-WAVE「LOHAS TALK」の公開収録。月刊ソトコトの小黒編集長をナビゲーターに、室伏広治選手と、河合純一氏を迎え、障がい者スポーツとのかかわり方などを語った。

「パラリンピックは、大会を通じて社会を変えていくことが目的。力になりたい」という河合純一氏は現在、スポーツ医科学のマネージメントに従事。2020年の東京オリ・パラに向けて多くのボランティアが必要というなか、なかなか聞けない障がい者側の感覚や体験を語ることで健常者への理解を求めた。

室伏広治選手は、「(障がい者スポーツを)インクルーシブする社会にすることが必要」と、健常者がボランティアに積極的にかかわることで起こる心の変化などを発信。

公開ラジオ収録 with 室伏広治&河合純一ら
[左]月刊ソトコトの小黒編集長、[中]河合純一氏、[右]室伏広治選手

僕らはいかに障がい者と接するべきか

株式会社ミライロの協力で、車いすテニス元日本代表の岩崎満男氏による、「ユニバーサルマナー」を解説するセミナーを開催。ユニバーサルマナーとは、”自分とは違う誰かのことを思いやり、適切な理解の下で行動するマナー”のこと。「施策」であるバリアフリーに対し、ユニバーサルマナーは「考え」を指す。

岩崎満男氏は、「障がいとは環境によって作られるもの。日本では障がい者と接する際、『無関心』か『過剰』のどちらかになります。でも、彼らが必要としているのは押しつけではなく”選択肢”なんです」と語り、「『大丈夫ですか?』と聞かずに『できることはありますか?』と聞いてほしい」と障がい者との接し方をアドバイス。また、「歩けなくなったからこそ出会えた人、与えられたチャンスがある」と、障がいを価値ととらえる言葉「バリアバリュー」もアピールした。

障がいを持つ人との正しい接し方

障がい者スポーツを通して芽生えた心の変化

“スポーツの秋”ということで開催された障がい者スポーツの体験会。イベントスペースには、「車いすバスケ」「チェアスキー」をはじめ、障がい者のために考案されたボールゲームでパラリンピックの正式種目でもある「ボッチャ」の体験コーナーが設けられ、トークイベントの合間に多くの人たちが立ち寄った。

家族連れも多く、普段触れることのない障がい者のツールに触れた子どもたちは、扱いに苦戦しながらも奮闘。純粋にスポーツを楽しみながら障がい者の感覚を学んでいた。

スポーツを通して障がい者を知る
[左上]車いすバスケ、[左下]チェアスキー、[右上下]ボッチャ