みんなで育てた大麦が地ビールに!未来(あした)につなぐ希望の一杯<アサヒグループの東北復興プロジェクト>

2016.5.10

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アサヒグループが2013年より取り組んでいる「希望の大麦プロジェクト」は、東日本大震災で被災した宮城県東松島市の土地を有効活用するべく立ち上がったプロジェクト。このたび、試験栽培で収穫した大麦を使った地ビールが完成! 産業と雇用を創出する今後の取り組みを追った。

なりわい&にぎわいを取り戻す

東松島市の被災地沿岸部の非生産的な土地で大麦を栽培し、その大麦から地ビールや食品を製造・販売すれば、地元農家の収入が増え、結果として東松島市の農業とその関連産業における雇用創出につながる。これは、地元の人々の仕事=”なりわい”が戻り、再び東松島の土地と人が結ばれることを意味する。さらに、”なりわい”が戻れば、人々が集い、ビールで乾杯する”にぎわい”が生まれる。これらが同プロジェクトの目指すところだ。

産・官・学・民が連携

同プロジェクトは、アサヒグループおよび東松島みらいとし機構をはじめ、多くの”賛同者”の協力によって実現。東松島市をはじめとした行政機関や東北大学などの研究機関、さらに、実際の大麦栽培にかかわる一連の作業を担う東松島市の農家、そして同市民らが連携し、被災地に”なりわい”と”にぎわい”を取り戻すべく奮闘する。これら産・官・学・民どの分野からの働きを差し置いてもプロジェクトは成立しない。

プロジェクト概要図

復興を目指す人々の思いが込められた 東松島産の地ビール「GRAND HOPE」

2013年に、アサヒグループホールディングス株式会社が一般社団法人東松島みらいとし機構と協働で始めた「希望の大麦プロジェクト」は、東日本大震災で被災した宮城県東松島市沿岸部の、もともと田畑や公園だった遊休地・耕作放棄地を活用して、高付加価値の大麦栽培を行う取り組みだ。

プロジェクトの目的は、収穫物を用いてビールや菓子などを製造・販売し、被災地に産業と雇用が生み出すこと。

東北大学や東松島市、そして同市内に住む農家や市民ら、”希望の大麦”の名の下に集った産・官・学・民が広く連携し、プロジェクトはスタート。2014年4月には、試験栽培として市内3カ所でアサヒグループが選定したビール麦と食用麦の栽培を開始し、結果として、翌夏には計0.6ヘクタールの土地から1.2トンの収穫を得た。

麦踏みアサヒグループのビール事業のノウハウを生かし、大麦の種子の選定・栽培等の技術支援を実施。社員ボランティアも現地入りして麦踏みなどの作業を手伝った。

麦

このうち食用麦は、アサヒビールモルト株式会社で麦茶に加工され、さらに栃木県の株式会社大麦工房ロアの協力を得て、菓子などの商品開発を進めているという。

一方のビール麦は、宮城県加美郡にある薬莱振興公社やくらい地ビール製造所と連携して地ビールの開発を推進、2016年2月、ついに完成を果たした。商品名は「GRAND HOPE」。その名には、被災地の復興を目指す人々の思いが込められている。

「GRAND HOPE」

「GRAND HOPE」ってどんなビール?

発売後すぐに3000本が完売。追加生産へ
2015年6月に収穫した大麦を用いて完成した記念すべき地ビール「GRAND HOPE」。ホップの種類と調合を工夫して柑橘香るラガーに仕上げた。
瓶の緑は東松島の豊かな自然をイメージ。さらに同市の海と空を思わせる青のラベルは、市内に住むデザイナーが手がけたもので、プロジェクト名と大麦のイラスト、そして、市の観光資源である航空自衛隊松島基地の曲芸飛行隊「ブルーインパルス」の絵が施されている。
すっきりとしたのどごしの同商品は評判も上々で、SNSでの口コミ効果も手伝って、限定3000本がすぐに完売。その反響の大きさから3000本の追加生産が決まっている。

◇「GRAND HOPE」
330ml/アルコール分:5%/販売価格:500円(税抜)
大麦栽培:一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)
醸造:株式会社薬莱振興公社やくらい地ビール製造所

 

3月には完成を記念し、「GRAND HOPE」とともに、JAいしのまき女性部矢本地区のメンバーによる地元産品の料理を楽しむ集いが開かれた。生産された限定3000本のビールは1カ月で完売し、3000本の追加生産を行うなど大反響だ。

今後、同プロジェクトでは収穫した大麦を”東松島産の原材料”として宮城県内外の大麦加工会社へ供給し、全国に広げることを目指すという。東松島市だけの地域振興にとどまらず、全国において存在感を発揮する地方創生へとつながる未来へ。「GRAND HOPE」に掲げたロゴマークをシンボルに、さらなる発信を続けていく。

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