【SNS考察】不正に飢えた批判者の正体 『間違えた企業』の正しい対応とは

2016.7.11

企業

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企業に関する騒動のなかで最近多いのが、SNSへの対応の誤りだ。ミスをしてしまった後、SNSでの失態や失言でさらに事態が悪化するケースや、そもそもSNSに起因するトラブルで炎上をしてしまうケースが増えている。手遅れにならないためにも、真剣に対応を考えておくべきではないだろうか。

ネット批判への対応で大切な3つのこと

常に批判にさらされるネットの世界では、企業はその一挙手一投足に気を配らなければならない。さすがにこの時代にあって、専門部署を設けるなど少なからず配慮しているはずだが、それでも”間違える企業”は出てきてしまう。では、どうすべきか。

一つ目は「スピード」。ターゲットになりかけたものの、適切な対応を行なって回避した企業を見ると、まずは火種を発見してから2~3時間で素早く対応している。

一方、犠牲になる企業の多くはネット上の批判を静観、もしくはマスコミ対応のように発表コメントを精査し、社内稟議を通すという段取りに心血を注ぐのだが、その間にSNS上ではさまざまな風評や憶測が流れ、手遅れとなるのがほとんどだ。

顧客対応では、SNS上でクレームをエゴサーチし、自ら積極的に語りかける「アクティブサポート」という手法があるが、これくらいの積極さが必要なのだ。

2つ目に必要なのは、「客観的かつオープンな視点」だ。”間違える企業”が批判するSNSユーザーにやりがちなのは、「まずは写真を削除」「直接お会いして話しましょう」などの企業防衛感丸出しの対応だが、これはネットでは”隠蔽””責任逃れ”の印象を与え、火に油を注ぐだけ。

事実確認はマストだが、SNS上で起きたことはSNSというオープンな世界でまずは処理するというのが鉄則だ。その際に、自社の見解だけではなく、第三者による客観的なデータを用いることができれば、なお説得力が増す。

炎上はノイジーマイノリティでできている

そして3つ目に必要なのが、相手の「属性」を見極めることだ。”間違える企業”は批判的なネットユーザーを過敏に警戒し、放置をしてそれが事態を悪化させるのだが、現実は、適切な対応を取れば静かに批判を取り下げる普通の人が圧倒的に多い。

というのも、実は炎上にかかわるのは、ほんのひと握りの少数派であることが、国際大学GLOCOMの調査で明らかになっている。例の五輪エンブレム事件について4万人を調査したところ、約0.4%の人しか書き込んでいなかった。また、炎上で11件以上かつ50回以上ネットに書き込みをする人は2万人のうちにわずか7人しかいなかった。つまり、炎上とはこのひと握りの”スーパー7″が執拗に批判を繰り返している状態なのだ。

批判的な人が過去にネット上でどのような言動をしているのかは、今の時代、その気があればすぐに調べられる。では、仮に”スーパー7″であったらどうすべきか。これは残念だが、素人にどうにかなるものではない。

強い執着を持って繰り返される誹謗中傷に対し、戦略的なカウンターを打てるような専門家のアドバイスが必要不可欠であるし、事実無根の批判ならば、ネット風評被害に詳しい弁護士の協力もいる。狭い視野にとらわれることなく、会社の”外”からの意見に耳を傾けることも、プロフェッショナルなSNS対応といえるかもしれない。

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