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反転攻勢の前にまず反省 民進党がどれだけセンスが無いか振り返る

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「政経電論」尊徳編集長は、もともと社会党支持者だ。自民党の議員と付き合っていても、自民党を支持したことはないという。今は特定の支持政党はないが、その編集長がいつも言うのが「民主党(民進党)はセンスが無い」ということ。いくら自民党を支持していなくても今の民進党は支持できないという。特に2015年の代表選で岡田氏が当選して以降、センスの無さに磨きがかかったように感じる。1998年の結党以来、どれだけのセンスの無さを披露してきたのだろうか。

【2009年9月~2012年12月】政権時代、幼稚な政策で国民の期待を大きく裏切った

リベラル政党として自民党政治をひっくり返すことにこだわり、理想論に猛進した結果、混乱を引き起こし尻拭いもせぬまま政権の座から転落した民主党(現民進党)。その代表例が「普天間基地移設問題」だ。

先の自民党政権が当事者の沖縄県、アメリカ双方を何とか説き伏せ、動き出すかに見えたのだが、代替案もないまま「最低でも県外だ」とこれをひっくり返した。だが、間もなく当時の鳩山首相は「在沖縄米海兵隊は日本の防衛に不可欠」と豹変。結局、沖縄県民の不満が再び噴出し移設問題は現在も宙に浮いたままだ。

加えて2011年の東日本大震災に伴う原発事故では、管政権の危機管理がまったく機能せず、被害がより拡大したとの指摘も。しかもこの教訓から”原発反対”へと舵を切るのだが、そもそも政権奪取直後に鳩山政権がぶち上げた「2020年までに温室効果ガス(CO2など)を対1990年比で25%削減」実現の牽引役は原発だと強調していたほど。奇をてらった政策に国民の大半はうんざりしている。

【2015年1月】第18回代表選で、世代交代をせずに再び岡田克也氏を選んだ

第18回民主党代表選は岡田克也氏と細野豪志氏の決選投票になったが、最終的に岡田氏を選出。この結果に、党首脳部の新陳代謝の無さ、閉塞感を感じる国民も少なくなかっただろう。

前代表の海江田万里氏は2014年の衆院選でまさかの落選。党首が議員バッジを失うこと自体、民主党の存亡にかかわる非常事態だが、この責任を取って海江田氏は代表を辞任したのだった。

ちなみに海江田氏は民主党政権時に経産相を務めた重鎮。そんな彼に有権者は「ノー」を突きつけたわけで、民主党はこの潮流を素直に受け止めるべきだった。ソフトな保守層の取り込みを訴え、40歳代の細野氏を代表に抜擢、リベラルとフレッシュを前面に出し”新生民主党”をアピールする……という選択肢も十分考えられたはず。

【2016年7月】都知事選に鳥越俊太郎氏を擁立し惨敗

7月31日の東京都知事選挙に際し、知名度抜群で大臣経験の肩書きを持ち、かつ”女性”という新鮮さ、母体の自民党に盾を突き、背水の陣で挑んだド根性、加えて小泉元首相仕込みの”劇場型”で臨んだ小池百合子氏。

一方、この強敵に対し民進党が、共産、社民、生活とともに擁立したのが鳥越俊太郎氏だ。ジャーナリストで信頼も厚く、また小池氏と同じくテレビ畑出身で国民の認知度も高いのはいいが、小池氏と比べた場合、”戦中生まれの70代”の鳥越氏ではフレッシュさで圧倒的に劣ってしまう。せめて石田純一氏を擁立できたら、一矢報いることができたかもしれないが……。

候補者選びに際しては党内部でギリギリまで紛糾。当初は経産省OBの古賀茂明氏を推そうとしていたが、告示3日前に鳥越氏へと乗り換えるなど、「著名なら誰でもいい」という、付け焼刃的発想が否めなかった。

【2016年7月】惨敗したはずの参院選で”負け”を自覚しようとしない党執行部

先の参院選、民進党は誰の目から見ても惨敗だろう。改選前45あった議席は13も減らして32議席に。非改選分を合わせた総議席数は改選前の62議席から49議席へと大幅減。

対して自民は、改選前の50議席を56議席に積み増し、公明党も9議席を14議席へとアップ。自公連立政権との連携に前向きな旧おおさか維新の会(2016年8月23日に「日本維新の会」へと改名)や、日本のこころを元気にする党の議席を加えれば、安倍政権の悲願である改憲の発議に必要な3分の2(162議席)を超す。まさに自民にとっては念願成就といったところだろう。

だが民進党執行部は、惨敗したとは認識していない様子。共産党などとの4党共闘は一定の評価がありと自画自賛、32カ所ある1人区のうち11カ所で4党共闘により勝利したと豪語した。さらに岡田代表は、自民党が論戦に挑まなかったのが悪いので負けた気がしない、との趣旨の発言をぶち上げるなど、惨敗を一向に認めようとはしない。

批判ばかりで政策が浸透していない

2015年9月、安倍政権は平和安全法制を成立、集団的自衛権の一部容認も含んだ内容だ。これに対し民進党は、憲法第9条に抵触し、専守防衛の国是(こくぜ)から逸脱するものとして白紙撤回を叫び、SEALDsなども巻き込みながら2016年の参院選に臨んだ。しかし結果は惨敗。あれだけ盛り上げておいて成果が出せないのは、国民の納得できる政策を提示していないからにほかならない。

核・弾道ミサイルの開発を強行する北朝鮮の存在や、尖閣・南沙問題、さらには「イスラム国」の台頭など、昨今の日本の安全保障環境を考えると、専守防衛を唱えていれば平和が担保されると言いたげな民進党の理念には説得力に欠ける。

また「日米同盟の深化」を叫ぶ一方で、在沖縄米海兵隊の主力部隊の国外移転を唱えるといった矛盾もある。これも普天間基地移設問題をめぐって、自民・公明連立政権の政策に対し、説得力のある代案もないまま単に「何でも反対するだけじゃん」と感じる国民も少なくない。

足を引っ張りあう多民族政党

民進党の場合、前身である民主党の生い立ちの関係上、革新から保守までもが同居するいわば”多民族政党”。

現在、岡田執行部系グループが主導権を握り、旧社会党や、旧民社党系、野田佳彦・元首相系の各グループが結集、左派・革新的な色彩が強い。一方、対する非執行部(非主流)系には、前原誠司・元民主党代表系や細野豪志系といった一派が参画、右派・保守的スタンスを貫く。

しかもこれに旧維新の党が2016年3月に民主党と合流、民進党として再出発。保守的色彩が強い旧維新系グループが非執行部グループとの連携を模索するなど、党内力学は複雑だ。

イデオロギー的に相反する派閥が「同床異夢」「呉越同舟」よろしく同居。巨大な政敵・自民党との対決に備え一致団結しなければならない大事な場面で、しばしば”コップの中の嵐”のような権力闘争を演じる。

労働組合頼りで、ほかに支持が広がらない

民進党の前身である民主党は、”リベラル中道派”を標榜し、政権奪取を本気で目指す第2会派として1996年に旗揚げ。旧社会党系が参画した経緯もあって各種労働組合の集合体である「日本労働組合総連合会(連合)」を支持母体とする。

だが、今や労組の組織率は17%そこそこにまで低迷、ひと頃ほどの存在感はない。このため結党以来、自民党政治に辟易した保守層の一部の受け皿として、彼らの取り込みに邁進するのだが、野党へ転落して以降、国会の議席を減らし続ける窮状を打開するカンフル剤として、共産党との共闘に及ぶ。

だがこれが劇薬となり、これまで民進党を支持してきた一部保守層の離反を促す結果に……。加えて近年、一部労組が民進党に見切りをつけ自民支持の構えを見せ始めるなど、支持基盤の先細りに歯止めが掛からない状況だ。

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