「イスラム国」いすらむこく ISIL(アイシル)、IS(アイエス)、ISIS (アイシス)
「イスラム国」(IS)は、イラクとシリアにまたがる地域で活動していたイスラム組織。2014年6月29日、イスラム法に基づいたスンニ派のカリフ(イスラム教開祖・ムハンマドの正統な後継者)制イスラム国家の建設を謳い、最高指導者アブ・バクル・バグダディが国家樹立を宣言。バグダディは自らを新しいカリフであると称し、世界中のスンニ派イスラム教徒に対して忠誠を求めた。しかし、国際社会は独立国家として認めず、近隣のイスラム諸国も地域の安全を揺るがす脅威と危険視し、「イスラム国」撲滅へ向けて作戦を展開した。
外国人を人質に取ったり、世界各国でテロ活動を行っては犯行声明を出したりと過激で残忍な行動が多く、住民に対しても奴隷制導入や処刑による恐怖統治で服従を強いていたといわれている。しかし、その一方で、フセイン政権崩壊後のシーア派主導による国家再建で蚊帳の外に置かれたイラク北西部のスンニ派住民や、カリフ制再興を望む国内外のイスラム教徒からは、一定の支持を得ていたとも。
クルド人勢力主体の部隊「シリア民主軍」は、アメリカやロシア、フランス、ドイツ、ヨルダンなど有志国連合の空爆支援を受けながら、「イスラム国」の拠点であり首都と宣言しているシリア北部の都市ラッカへの本格的な攻略作戦を進めてきた。2017年10月17日、ラッカの市内全域を制圧。イスラム国家は事実上崩壊した。
テロ活動を行うなど、原理主義で何かと行き過ぎている許してはいけない存在。彼らが行っている非合法な行為の数々を認めることはできない。「イスラム国」は事実上潰れたけど、貧富の格差や国際紛争など、為政者のエゴイズムを無くさない限り、第2の「イスラム国」が現れるだろうね。
専制国家、独裁国家は問題だとアメリカはすぐに言うけど、独裁国家の北朝鮮と王家が支配しているサウジアラビアと何が違うの? サウジアラビアやアラブ首長国連邦には何も言わないのに、「イスラム国」や北朝鮮は敵視する。敵視された国は自衛のために武装するしかない。「イスラム国」が騒動を起こすたびに僕が思ったのは、イラク戦争はどうだったの?ということ。アメリカは屁理屈をこねくり回して、大多数のためとか言いながらミサイルを撃ち込んで、「イスラム国」とアメリカとどう違うのか。北朝鮮や「イスラム国」を認めてるわけじゃない。でも、アメリカも正義みたいな顔してるけど、エゴを押しつけてるだけにしか見えない。
アメリカの正義、ロシアの正義、中国の正義、「イスラム国」の正義、みんなそれぞれ自分たちの正義を主張している。民主主義だけが正義じゃない。アラブ、イスラムには彼らの正義や論理があるんだから、互いに認めた上で共存できる道を歩むほかないよね。ただ、テロという手段を取った瞬間に、それは主張ではなく、単なる暴力になることだけは言っておきたい。