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捕鯨ほげい

クジラを捕る行為は、商業捕鯨と調査捕鯨の2つに大別される。1986年、IWC(国際捕鯨委員会)は、ミンククジラやシロナガスクジラ、マッコウクジラなど13種類の大型クジラに関して商業捕鯨を禁止。日本も1988年に中止し、南極への調査捕鯨に限り続行している。現在、食用として出回っている鯨肉は、調査のために捕ったクジラのもの。調査捕鯨のクジラを食用に利用することは認められている。

日本では古くから鯨肉を食べる習慣があり、戦後から1960年代までは、重要なタンパク質源として食されていた。食用を前提とした捕鯨を日本の伝統文化だとする立場の人がいる一方、経済発展を遂げ、ほかに食べるものが多くあるなかで鯨肉を食べる必要は無いと批判する人もいる。

海外では日本の捕鯨文化に対して批判的な見解を示す人が多く、2010年、オーストラリアが日本の調査捕鯨は国際捕鯨取締条約に違反していると、国際司法裁判所(ICJ)に提訴。2014年、「科学的調査に該当しない」との判決が下され、日本は1年間、捕鯨を中止した。しかし、違法には当たらないと主張して2015年に再開。さらには商業捕鯨の再開をも目指す方針だ。環境保護団体を名乗るシーシェパードは、日本の調査捕鯨に反対、妨害を繰り返してきたが、2017年の妨害中止を発表している。

賛成派、反対派、それぞれの言い分がわかる。節度を持った捕獲で資源が守られるのであれば、捕鯨も仕方のないことだとも思う。ただ、ひとつ言えるのは「シーシェパードが嫌い!」ということ。彼らは利権で動いている。金のために活動し、「鯨を守りたい」なんて微塵も思っていないだろう。しかも、自分たちの主義主張を押し通すために、違法な妨害行為もする。どんなことがあっても、自分の主張を通すには法律やルールに則って行うべきで、違法行為に手を染めた時点で正義は成り立たない。

そもそも、アメリカだってクジラを獲っているし、捕獲方法に野蛮か野蛮じゃないかなんてないよ。科学的根拠をベースに批判なり非難するならいいけど、「捕鯨は野蛮だからダメ」と言われてもね。国際社会で「捕鯨禁止」と決められたら仕方がないけど、食に関しては、それぞれの文化なんだから、互いに尊重すべきだよ。僕自身、鯨肉は特に好きでも嫌いでもないけど、「食べられない」となると、食べたくなるから人間の心理は面白いよね。

 2018.1.5更新

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