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財政ファイナンスざいせいふぁいなんす マネタイゼーション

「国債の市中消化の原則」も異次元緩和以降は有形無実化

中央銀行が通貨を発行して国債を直接引き受けること。「マネタイゼーション」とも呼ばれ、先進国では極端なインフレを起こす恐れがあるとして禁止されている。

日本においても1947年に施行された財政法第5条により原則禁止されている。「国債の市中消化の原則」と呼ばれるもので、「中央銀行がいったん国債の引き受けによって政府への資金供給を始めると、その国の政府の財政節度を失わせ、ひいては中央銀行通貨の増発に歯止めが掛からなくなり、悪性のインフレーションを惹き起こす恐れがある。そうなると、その国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も失われる」(日銀)と説明されている。ともすればポピュリズムに堕しかねない政治が、日銀を使い野放図に財政を膨らませるモラルハザードが生じかねないというわけだ。

ただし、実際は「特別の事由」 に基づき一部の国債について財政ファイナンスは行われている。

「特別な事由」とは「国会の議決」のことで、「日銀では、金融調節の結果として保有している国債のうち、償還期限が到来したものについては、財政法第5条ただし書きの規定に基づいて、国会の議決を経た金額の範囲内に限って、国による借換えに応じている」(日銀)。満期国債の借換えに限り、新たにマネーが増えないという理由で日銀が直接引き受けているのだ。

しかし、この“たが”も2013年の異次元緩和以降、有形無実化しつつある。日銀は2%の物価目標を目指し、大量の国債を買い入れており、その残高は500兆円を超え、GDP(国内総生産)に並ぼうとしている。

さらに2020年の新型コロナウィルスの感染拡大を受け、政府はたびたび補正予算を組むなど、積極的な財政出動に乗り出している。これに呼応するように日銀も4月27日の金融政策決定会合で、「年間約80兆円」とされていた国債買い入れ額のめどを撤廃し、青天井とした。日銀は、国債買い入れはあくまで金融調節の一環で、市場から購入しており、直接かつ自動的に政府から直接引き受けておらず問題ないとしているが、苦しい説明と言わざるを得ない。

 2020.08.12更新

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