表現の自由ひょうげんのじゆう
人の最も貴重な権利のひとつだが制約も
表現の自由は、日本国憲法第21条で認められている国民の権利。第1項には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」とあり、第2項には「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」とある。
日本では、積極的な情報請求権としての「知る権利」も憲法第21条の保障に含まれると解されている。ただ、政府への情報公開請求権に基づく「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」は、「知る権利」を根拠とせず、公開の対象範囲が不十分との指摘もあり、憲法改正で憲法に明記しようという主張もある。
憲法で保障されてはいるが、表現の自由は他人の利益や権利との関係から制約が存在する。憲法第13条の「公共の福祉」による制限を受けるとするのが通説で、「プライバシーの権利」「肖像権」「環境権」などの権利を侵害してまで、表現の自由は保障されないといわれている。ほかにも、差別表現やヘイトスピーチ、名誉棄損、性表現をめぐる芸術性の問題なども、表現の自由の適応範囲なのか議論が続いている。
表現の自由は民主主義政治を支える基盤として、フランス人権宣言第11条に「人の最も貴重な権利の一つ」とある。各国の憲法典や人権宣言に保障規定として盛り込まれ、1948年の世界人権宣言第19条、1976年の市民的及び政治的権利に関する国際規約第19条第2項でも定められている。
明確ではないからこそ議論の余地がある
日本でも憲法で保障されている権利ではあるが、何をしても何を言ってもいいわけではない。ヘイトスピーチのように名誉棄損や他人を傷つけてまで、表現の自由が認められるのかは、線引きの問題。時間をかけて議論し基準を模索するしかないよね。
憲法は国民が持つ最低限の権利を保障するものであって、それは“公共の福祉”や“公序良俗”に反しない限りにおいて認められるもので、憲法を盾にとって何でもかんでも認めろ、というは違う。もちろん公共の福祉や公序良俗は、明確に規定されているものではない。だからこそ、議論の余地がある。それが民主主義だよね。
政治的思想や信条に関する自由を保障するものだと解釈している。昔は「政治犯」という言葉があったぐらいで、政府と異なる政治信条を持った人は、戦前・戦中に憲兵隊や特高警察によって弾圧の対象になった。
だけど、あんな状態は異常なのであって、市民社会が形成され繁栄するには、表現の自由は欠かせないもの。日本だけの話ではなく、世界中の国で認められなければならない権利だと思う。中国や北朝鮮を筆頭に「政治犯」は世界中にまだいるからね。
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【プライバシーの権利/ぷらいばしーのけんり】「表現の自由」とせめぎ合う基本的人権
2019.12.20更新
加藤弘実
例えば、島倉千代子さんの人生いろいろって曲の様に、おかしいでしょ 若い頃と歌われてたりで、その若い頃に、精神疾患がある扱いになって、障害者年金と障害者雇用のパートで4時間勤務で、とても家族を持てるだけの収入じゃないに追い込まれてるってのは、表現の自由でも、逸脱してないですか?
2023.5.15 17:37
紹興酒
〉〉妄想家さん
前提として、素人の回答ですので話半分で聞いてアテにはしないようにしてください
また、回答は憲法21条1項(表現の自由)の観点に限り、道義的な責任等は考慮せず法的な責任を問われうるかという点のみを論じたいと思います。
はじめに、妄想家さん経営のSNSでの投稿は表現の自由の保障内容という前提に立ちます(一般的なSNSでの投稿が表現の自由の保障内容であること自体はおそらく争われないと思うのでこのような前提に立ちます)。
しかし、憲法とは、国家が国民の権利利益を制約することを制限する目的のもと存在するものですから、国と国民(私人)の間でのみ適用の有無が問題となるのが原則で、私人間については直接の適用はありません。
お話しの例では妄想家さんは私人であるという前提だと思いますので、憲法の直接の適用はありません。
ですが、私人間の契約等であっても憲法の趣旨が一切及ばないものではなく、社会的に許容される限度を超えた程度・態様(≒方法)によって憲法上の権利利益が侵害される場合、例外的に憲法が保障する権利利益と私的自治の原則(国民は自らの権利義務について自らの自由意志によって決定でき、国家からの制約は受けない、という原則。原則ですのでもちろん例外も存在します)との調整を図る必要があります。
この調整は、民法1条・民法90条といった私法の一般則(私人間の法律関係において、常に適用される(抽象的な)ルールのことです)や不法行為に関する法制(民法では709条以下に規定が存在します)の適切な運用によってされます。
従って、お話しの例にあっては、妄想家さんの投稿削除行為が、民法1条・90条によって無効となる(無効となるならば削除した投稿を復活させろ、となるでしょう)か否かや、民法709条等によって損害賠償責任を負うか否か、という形で法的には構成されます。その上で、この判断にあたっては、投稿削除行為が社会的に許容される限度を超えた程度・態様でされたかが問題となることになります。
実際の訴訟において結論がいずれになるかは事実関係次第ですので不明ですが、例えば明らかに名誉毀損罪(刑法230条)に当たる投稿のみを削除する場合でしたら社会的に許容される限度を超えたとは言われづらいでしょう。逆に、削除が特定の思想(支持政党・支持政策など)についてのみされていれば、社会的に許容される限度を超えていると言われてしまうかもしれません。
2023.1.29 21:47
ありす
表現 のじゆうの例 をあげて欲しかったです。
2023.1.3 11:39
幽児
》〜判例を知りたい者さん
検索の際に検索ワードを細かくしてみるなどはされましたか?
仮に表現の自由だけだとこの記事にぶち当たると言うのでしたら、第2検索ワードにあなたの知りたい事柄を付け足すなどでこの記事が引っかかることを避けることが出来ると思うのですが…
また、検索エンジンを変えてみても違う結果が出ることがあります
検索エンジンにはGoogle以外にもYahooであったりgooであったり、他にも《検索エンジン》と検索すれば無数に出てくると思います
2023.1.2 18:45
幽児
》妄想家さん
殆どのSNSがしているように、新しいSNSを作る際に、利用する際のガイドラインのようなものを規定して、(程度にもよるでしょうが)そこから逸脱する利用者に対しては投稿を削除するという主旨を告知しておけば良いのではないでしょうか
現に某140文字のSNSではオーナー様の気まぐれによって表現の自由が及ぶ範囲について規約改定の是非が現在進行形で問われたりしていますし…
2023.1.2 18:30