FRBえふあーるびー Federal Reserve System、連邦準備制度理事会
金融政策においては米大統領に次ぐ影響力
アメリカの中央銀行制度である「FRS(Federal Reserve System/連邦準備制度)」の最高意思決定機関。実際の中央銀行業務を行う12の地区連邦準備銀行を統括・監督している。
金融政策を決定するほか、市中銀行に対する支払準備率の設定、連邦準備銀行が設定する割引率(公定歩合)の審査・決定なども行う。
金融政策の手段である公開市場操作を決定する「FOMC(Federal Open Market Committee/連邦公開市場委員会)」は、7名のFRB理事と、ニューヨーク連銀総裁とその他の地区連銀総裁から輪番制で選ばれた、計12名で構成されている。
FRBの理事は7名(うち議長1名、副議長1名)で構成され、大統領が指名し、上院の承認を得て任命される。任期は14年間で、再任はナシ。2年毎に理事の1人が任期満了となる。正副議長は理事の中からが選ばれ、正副議長の任期は4年で再任は可能。
FRB議長は2期年以上務めるのが慣例とされ、金融政策における強力なリーダーシップを発揮し、FOMCの議長も兼任するため、アメリカで大統領に次ぐ影響力や権威を持つといわれている。
独立性を持って市場との対話を進めてほしい
基軸通貨ドルの監視人であるから、FRB議長は世界の経済に大きな影響力を及ぼす。FRBのさじ加減ひとつで、世界各国の為替や株が上下し、世界経済が変わる。だから、彼らが何を考え何をするか、世界中の市場関係者が注目しているよね。アメリカ政府からはしっかりとした独立性を持って、市場との対話を進めてほしい。
2014年2月~2018年2月までFRB議長を務めたジャネット・イエレン さんは、市場と対話をしながら、金融緩和のソフトランディングを上手に進めたと思っている。長期的なことを考えずに、自分の任期中のことだけを考えれば、今の日銀がやっているように金融緩和を続けている方が楽だよね。お金の流れのバルブを開けるのは簡単。閉めるのが難しいんだよ。
とはいえ、金融緩和を続ければ、バブルが発生していずれはそれが破裂する。そのときの傷の大きさは、日本がかつて経験しているからわかるはず。
イエレンさんには続投してほしかったけど、彼女は民主党だから、トランプ大統領としては共和党の人間の方が扱いやすいと判断したんだろ。議長の跡を継いだジェローム・パウエルさんの手腕に期待したいね。