SEALDsしーるず 自由と民主主義のための学生緊急行動
安倍晋三首相の政権運営や憲法観に対し危機感を募らせた学生らが発足させた政治団体。立憲主義に基づいた「社会保障の充実」「安定雇用の回復」「平和的な外交、安全保障政策」を求め“リベラル”な政治勢力の結集を主張した。
2015年5月に、SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)の後継団体として発足。安全保障関連法に反対する国会前での抗議デモを主催するなどの政治運動を展開し、2016年8月15日に解散した。
デモや抗議集会にヒップホップの要素を取り入れて洗練したものに見せるやり方や、告知や広報に使用するフライヤーやウェブサイトの若者受けするデザインなどのほか、メンバーの一人である奥田愛基氏がメディアに頻繁に登場したことで、若者を中心に一種のムーブメントを起こした。
ただ、従来の政治運動とは違ったアプローチで若者の目を政治に向けたと評価する向きがある一方、理論が稚拙で説得力に欠ける主張であるとの批判もあった。
特定の政党を支持していなかったが、「リベラル勢力支持」を表明し、現政権に対抗するための野党の結集を主張していた。特に、SEALDs参加の安保関連法反対デモで、共産党の関係者や共産党系の労働組合「全労連」の車両が使われているとも報じられ、共産党との関係を指摘される向きもあった。
彼らの主張にはなんら賛同するところはないけれども、SEALDsのやり方で若い人に政治的な運動への興味を喚起できたのなら、それは歓迎すべき。
ただ、共産党を筆頭に、左派の政治家やマスコミが彼らを利用しようとしたのは残念で仕方がなかった。おかげで“赤”のイメージが強くなってしまったからね。
せっかく始めたんだから、政党を作って徹底的に運動を広めれば、もっと面白かったかもしれないよね。解散したのはなぜだろう?
創設者メンバーたちは、ほかにやりたいことができたと言うのなら、自分たちは運動から卒業しても後進に組織を委ねるなどして、運動は存続するようにすればよかったのに。