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経済

リーマン・ショック後のポートフォリオ 新しい分散投資【放置系マネー術】

電子雑誌「政経電論」第21号掲載
2017年03月10日
読了時間: 07分00秒

さまざまな金融商品を組み合わせ、資金投入のタイミング(時間)も分散させる――。これは資産運用の基本で、先人から伝えられてきた教えである「分散投資」です。ただし、イギリスのEU離脱や米トランプ大統領の誕生など、今は「まさか!?」が頻繁に発生する時代。特に強烈な混乱を招いた2008年のリーマン・ショック以降、その教訓を盛り込んだ"現代版"の分散投資が求められています。

【TOPIC】投信にかかるコストを知っておこう 投資信託を購入する際には、「販売手数料」がかかるものがあります。2~3%程度のものが多く、0%のものもあるなど商品によって異なります。

さらに投信を保有している間にかかるコストが「信託報酬」です。これは年率で約1%前後のものが多いですが、投資家が直接払うわけではありません。投信の信託財産から毎日日割り計算した金額が差し引かれているので、実感しにくいかもしれません。

そして、もう一つが「信託財産留保額」。これは簡単に言うと、投信を売却するときにかかる手数料です。0.3%前後を中心に、まったくかからない投信も数多くあります。

購入時、保有時、売却時とかかるコストは数パーセントですが、保有期間が長期になればなるほど、投資金額によっては無視できない差となってくるので、頭に入れておきましょう。

株式、債券、投信など投資対象によってリターンとリスクが違う

世間では、「株式は怖い」というイメージが強いようです。確かに、株価がとてつもなく上昇して莫大な利益を得られることもあれば、逆に激しく値下がりして損失を被ることもあります。これに対し、債券は満期まで保有すれば元金と利息の支払いが約束されているものの、株式のような利益はとても期待できません。

一方、複数の株式で運用する投資信託は、分散投資が図られている分だけ、自分で1つの銘柄に直接投資するケースよりもリスクが抑えられています。けれど、1つの銘柄に的を絞ってその読みが大当たりした場合と比べれば、期待できるリターンは低くなるのも事実。

これら3つの関係を整理してみると、リスク・リターンは[株式>投資信託>債券]ということになります。

はっきり言えるのは、リターンとリスクは常に表裏一体の関係にあって、高い利益を期待できるものはその反面として損失を被る可能性もあり、安全性の高いものには大きな成果を望めないということ。

だからこそ、リスクとリターンの関係が異なるいくつかの投資対象を組み合わせることが重要になってきます。そうすることで資産全体のリスクとリターンのバランスを取り、堅実にお金を殖やしていける体制を整えるわけです。

「大金がなければ分散投資できない」は大きな誤解

先程ピックアップした3つ以外にも、世の中にはたくさんの金融商品が存在しています。複数の債券を組み合わせて運用する投資信託もありますし、原油や金(ゴールド)、穀物などといった商品市場(コモディティ)の推移に連動した利益を期待できるETFまで投資対象に組み込める時代になっています。

◇ETF 「指数連動型上場投資信託」とも呼ばれ、株式のように証券取引所に上場しており、取引時間中ならいつでも自由に時価で売買できる投資信託の一種。日経平均やNYダウ、金価格など、その市場全体の動きを示す特定の指数に価格が連動するように設計されており、わかりやすい値動きが大きな特徴。

株式や債券にしても、国内のものだけにとどまらず、一部海外で発行された金融商品の売買も可能です。つまり、より広い視野で国際分散投資を気軽に実践できる環境が整っているということです。

このように投資先が広がると、「それなりの予算がないと理想的な分散投資を実践できないのでは?」と思うかもしれませんが、それは大きな誤解です。そもそも、仮に手元に大金があったとしても、一度にそれを投入してしまうのはあまりにもリスクがあります。

もしも、大金を投じたタイミングが相場の天井だったとしたら、その直後から始まった下落の波に巻き込まれてどんどん損が膨らんでいくからです。こうしたことから、資金投入のタイミングも分散させるのがベストだと言われています。

そういった意味でも、分散投資はむしろ少額からスタートするのが無難。毎月数万円ずつコツコツと積立投資を続けていくことによって、資金投入のタイミングを着実に分散できるのです。また、資金的にほとんど余裕がないという人向けに、数千円から積立投資を行える金融機関もあります。

分散投資の理想的な組み合わせと配分

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