2016年に創設される地方創生についての新型交付金は、主に大都市高齢者の移住拠点(日本版CCRC)や官民一体の観光・ブランド戦略の司令塔(日本版DMO)の整備などにあてられ、地方自治体は「目標設定」と「成果検証」を求められることとなりました。
新型交付金で重点を置かれる大都市から地方への高齢者移住拠点は、高齢者がボランティアや生涯学習、若い世代との交流などに取り組む場所。元気なうちに地方へ移住して、地域づくりの担い手となる高齢者を求めます。現在は長崎県や新潟県南魚沼市などの1県3市が先行して取り組んでいます。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q移住のきっかけとなる地域特有の魅力は、どのようにつくっていくのでしょう?
A高齢者が魅力的に感じるのは、若者がいて活気的な町であること。
介護など、高齢者の現実的な問題には若者の介助が必要。すなわち、高齢者に魅力的な町は、若者にとっても魅力的でなければならない。だから、若者の雇用など、地方特有の農産物や観光で魅力を磨き上げ、規制緩和して、若い人たちが安心して住める町づくりを進めないといけないんだ。
Q日本版CCRC、日本版DMOとありますが、これはもともとどこの取り組みで、どのようにローカライズされているのでしょうか。
ACCRCはアメリカが先進国。高齢者を健康なときからケアし、介護が必要になったときにも一気通貫で引き続きケアする試み。DMOはやはり欧米が進んでいて、日本の観光協会の進化版というところ。
要介護者だけを集める介護施設ではなく、健康な高齢者も集めてケアを進めていくことで、生きがいを見つけることもできて、その後、介護費用が抑制されるかもしれない。
また、観光協会は地域のPRなどが主な仕事で、総合的にマーケティングまでプロデュースすることはあまりないけど、これを一歩進めて、総合プロデューサー的に担うのがDMO。
少子・高齢化が深刻な日本にとって、今から地道にこのような活動をしていかないと、一気に国力が衰えかねないね。
[参考:「高齢者移住拠点など重点 地方創生の新型交付金」(日経新聞朝刊2面 2015年6月29日)]
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