日銀がマイナス金利を発動し、年明けから取引市場は乱高下。そんな時代に投資なんてもってのほか? いやいや、こんな時代だからこそ投資が必要なのだ。リスク、リスクと言う前に、投資の本質を知ることが先決。数十年後に笑うか、後悔するかは、今この瞬間に行動するかどうかにかかっている!
【CONTENTS】
政経電論が考える
ビジネスマンのためのポートフォリオ
投資とは、資産を殖やすための目的がほとんどだ。しかし、政経電論は考える。投資を通して、ビジネスマンとして成長することはできないか――。投資を”社会との接点”だと考える編集部が、収益よりも、社会や経済の動きを知ることを目的に、クソまじめに考えたポートフォリオです。
政経電論の”運用哲学”
「自らの正義の下に、社会に貢献する投資を通して世界の動きを知り、自らもビジネスマンとして成長すること」
ポートフォリオ
■国内債券
長期の日本国債に投資することで、自分が住む日本の行く末を真剣に案じるように。今の政府のやり方は大丈夫なのか? 日々のニュースが、にわかに自分事になる。
■海外債券
外貨建てで海外債券に投資することで、為替変動を意識するように。何が信用リスクとなるのか、海外の情勢が気になりはじめる。
■国内株式
国内株式に投資することで、実利を得ながら、国内経済に興味を持つように。投資した企業や産業の動向など、それまでつまらなかった経済新聞が、急に欲しい情報であふれ出す。
■海外株式
海外株式に投資することで、視野が世界へと拡大。世界でキテいる企業は何なのか? 人より先に、世界の動向がつかめるようになる。
■投資信託
投資信託に投資することで、地に足をつけた資産形成を実践。投資すべき良い企業、良い産業とは何なのか? 選んだ投信の理念とともに、自らも考えるようになる。
■J-REIT/FX
ハイリスク・ハイリターンといわれる商品に投資することで、リスク管理の意識が芽生える。さらに、リスクを取らなければリターンはない、という事実をビジネスシーンでも実践。
自らへの投資、という投資
投資を強制するわけではないが、僕は、リスクを取れる余裕資金があれば、金融商品に投資することは非常にプラスだと考えている。
金融市場が巨大になってくれば、特に市場は政治とリンクする。現在の金融市場は中央銀行の政策に大きく左右されるからだ。中央銀行は独立しているとはいえ、トップの人事権は実質的に時の政権が握っている。政権の方向性とずれて中央銀行の政策が決まることはない。
ということで、政治をウォッチしなければ、金融の方向性も見誤ることになる。したがって、何らかの金融商品に投資をすれば自然と政治や経済に関心を持つことになるという論法だ。
政治や経済は難しいし、興味もないという人が多いが、それを知っているのと知らないのとでは、生きていくうえで大きな違いが生じると思う。税金や物価など生活のありとあらゆるものに、政治と経済はかかわっているからだ。
そして、投資をするのに一番大切なのは「大きく増やしてやろう」と思わないこと。人間誰しもお金を増やしたいと思うのは当然だが、欲が大きくなると”投資”は”投機”に変わって、ギャンブルと変わらなくなってしまう。
だから、投資には運用哲学が必要になる。小難しい哲学が必要なわけではなく、自分の中での決め事を守るということだ。社会貢献企業に投資する、でも構わないし、障がい者雇用に力を入れている企業を積極的に応援するでもいいし、小さいけれども成長性がある企業に賭けてみようでもいいが、自分の取り決めがないと万が一資産が減った場合に落ち着くことができない。
短期のリターンだけを追い求めるのではなく、中長期の資産形成を考えて、結果的に緩やかに自分の資金が増えていけばいいくらいに考えるべきだと思う。当然、短期的な収益を追い求めることを否定するわけではないが、そうすると一時は儲かっても結局丁半博打のようになってしまうことがしばしばだ。
少額の資金でも、自らが株主になったり、投資信託に投資したり、外国債券(為替変動もあり)を購入したりすると、自然と周辺の経済状況も気になるものだ。最初はわからなくても、長期で触れているとマクロ的な経済の動きがなんとなくわかってくるものだ。
特に人口減少、マイナス金利という異例の事態になった今、国の年金をあてにはできないし、利息も付かないからお金も増えていかない。堅実に貯めることも大事だが、”自らへの投資”と思って、投資を始めてみてはどうか。