“三方よし”の「555mlジョッキ」でビール類市場と2020東京オリンピック・パラリンピックを熱くする

2019.1.29

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“三方よし”の「555mlジョッキ」でビール類市場と2020東京オリンピック・パラリンピックを熱くする

高アルコール缶チューハイやハイボールの人気等で、ビール類の消費量が減少傾向にあるなか、ビールメーカー各社はさまざまなテコ入れを図っている。業界トップのアサヒビールは、2019年、新ジャンル「アサヒ 極上<キレ味>」の新発売や「クリアアサヒ」のクオリティ向上を打ち出すほか、昨年から好調な2020東京オリンピック・パラリンピックの関連製品をより強く推進。大会への気運醸成とともにビール類市場の活性化を目指す。

低迷するビール類市場に“555mlジョッキ”で挑む

2018年ビール大手5社のビール類の国内総出荷量が、前年比2.5%減の3億9390万箱(1箱:大瓶20本換算)で、14年連続の過去最低となった。消費者の嗜好に応じた酒類の多様化と、それによる若者のビール離れ、加えて、昨年4月1日の酒税法の改正による値上がりや、豪雨、台風、地震など、国内で相次いだ自然災害も、消費を冷え込ませた要因と思われる。

このような状況のなか、9年連続でシェア率トップを誇るアサヒビール(以下、同社)が、ビール類市場の活性化と、ビールメーカー唯一のゴールドパートナーとして2020東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京2020大会)を盛り上げる取り組みを展開。有力なソリューションツールとして好評を博している。

その取り組みのひとつは、外食産業向けの「アサヒビールオリジナル東京2020オリンピック555mlジョッキ」(以下、555mlジョッキ)の展開である。これは、オリンピックのシンボルである五輪の「5」と、オリンピック競技数33とパラリンピック競技数22を足した「55」を合わせた容量555mlのジョッキで、ジョッキの中央には大会エンブレムが配されている。

555mlジョッキの取り組みは、落ち込むビール類業界を後押ししようと、2017年7月よりスタート。2018年夏以降に急激に取扱店が増加し、同年9月末時点で当初目標の5倍となる約5万店にまで拡大し、今もなお、右肩上がりに推移し続けている。

なぜこれほどまでに555mlジョッキを採用する店舗が増えているのか。

“三方よし”の精神を持ったソリューション

その理由は、555mlジョッキは“三方よし”の精神を備えているためだ。同社代表取締役社長・平野伸一氏はこう語る。

「555mlジョッキを採用いただいている飲食店様の中には、採用前と比べて売上が10%アップしたという店舗が多く存在しています。なぜ、555mlジョッキを使用して売上が上がったのか。当社にてお客様へアンケートを実施したところ、88%の方が1杯目にビール類、2杯目以降はビール類以外を注文すると回答。しかし、多くの方々が満足感を得られていないとお答えになりました。

なぜなら、1杯目のビール類は360mlジョッキにて提供されているため、1杯あたりの量が少ない上に、ビール類と親和性の高い食を存分に楽しむ間もなく、食後の飲酒に適したハイボールやチューハイといった蒸留酒に移行してしまうためです。これによりドリンク全体の単価や売上金額が減少傾向となりました。

現在、ほとんどの飲食店様が360mlジョッキを採用していますが、555mlジョッキはその1.5倍以上の容量で、たっぷりビール類を味わいながらさまざまな料理を楽しむことができます。つまりはビール類の量をはじめ、各種フード類の注文数が増えたことによる客単価のアップが売上に反映されたということです。

また、酒販店様のトラック1台あたりの売上額の上昇、何よりもビール類を召し上がるお客様の満足度にもつながる、まさに、売り手よし・買い手よし・世間よしの“三方よし”の精神を持ったソリューションであると自負しております」

この勢いで、今年早期に555mlジョッキ採用10万店達成を目指している同社。555mlジョッキの成功事例が共有・拡散されることで業界全体が盛り上がり、ビール類市場の活性化の引き金になるのではないかと、大きな期待が寄せられている。

東京2020大会応援ラベルなども発売

555mlジョッキの展開強化とともに、東京2020大会に向けたさらなる気運醸成の取り組みとして、2019年は年間を通して積極的なマーケティング展開を実施する。

1月には、“各都道府県から東京2020へ!乾杯!”をキーメッセージとして、全国47都道府県ごとの東京2020大会限定ラベルを施した「アサヒスーパードライ 東京2020大会応援ラベル」中びん(500ml)を、開催500日前となる2月には大びん(633ml)を完全予約受注制で発売。ラベル下部に、活躍が期待される体操の内村航平選手やバドミントンの松友美佐紀選手・高橋礼華選手、ウィルチェアーラグビーの池透暢選手の画像をデザインすることで、全国民が一丸となり、年初めから2020東京大会を盛り上げる狙いだ。

ほかにも、47都道府県とゆかりのあるアスリートとタイアップした「アサヒスーパードライ限定デザイン缶」や、大会1年前を記念したオリジナルLIVEキャンペーンなども予定している。

新需要を創造する新商品&基幹ブランドの強化

しかし、ビール類業界活性の行く手を阻む壁は絶えない。今年10月に予定されている消費税増税による消費の冷え込みは避けられないだろうし、低価格志向を背景としたマーケットの拡大で、1本で安く手軽に酔える高アル商品のラインナップは今後も増えていくだろう。

また、2020~2026年にかけてビール類の酒税額が一本化されることで、新ジャンル(第3のビール)の消費者がビール類以外の商品へ流れる可能性があるなど、さまざまな影響が予想される。

そこで、同社は新ジャンル市場の活性化を図るべく、「キレ」と「本格派」という、これまでの新ジャンルカテゴリーになかった新たな価値を加えた新商品「アサヒ 極上<キレ味>」を1月29日より全国にて発売する。

原材料に麦を100%使用(※1)し、独自の高発酵醸造技術(※2)と、冷涼ホップの活用等で、アサヒならではの冴えるシャープなキレと本格的な飲みごたえを実現。まるでビールのような味わいが特徴だ。

※1:麦芽、大麦、スピリッツ(大麦)を使用。ホップ使用量を除く ※2:高発酵を実現する酵母管理技術・発酵制御技術、糖分解酵素活用技術など

また、基幹ブランドの強化として、2008年の発売以来、着々と味への評価や信頼を築いてきた「クリアアサヒ」の大幅なクオリティアップも実施する。

麦の味わいを高めるため大麦を、そして、濃厚な香りが特徴の麦芽を増量し、これまで以上に“磨きぬいた麦の味”を楽しめる商品へと変更。2019年2月中旬以降の製造分より味わうことができる。

平野社長は言う。

「2020東京大会を翌年に控え、一層、盛り上がりが期待できる2019年。ほかにも、新元号に伴う10連休や、ラグビーワールドカップの開催、年々増加するインバウンド消費など、ビール類の消費を押し上げるイベントが盛りだくさんです。

当社はトップメーカーとして魅力を感じていただける商品でビール類市場をけん引していき、活性化に貢献できるよう努めていく所存です。そして、お客様の最高の満足のために、お酒ならではの価値を創造し続けていきます」