【トヨタ博物館】「移動は文化」をテーマに約4000点の文化資料を一堂に展示した「クルマ文化資料室」をオープン

2019.3.28

社会

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【トヨタ博物館】「移動は文化」をテーマに約4000点の文化資料を一堂に展示した「クルマ文化資料室」をオープン

自動車誕生以来の歴史を展示しているトヨタ博物館が、今年4月で開館30周年を迎える。これを記念して、4月17日、文化館(新館)2階に「クルマ文化資料室」をオープン。自動車に関する出版物やおもちゃなど、貴重な文化資料を展示する、同資料室の全容を紹介しよう。

クルマとヒトの歴史がわかる「トヨタ博物館」

1989年に愛知県長久手市にて開館したトヨタ博物館は、トヨタ自動車創立50周年を記念して造られた、日米欧のモータリゼーションの歴史を紹介する自動車博物館だ。館内には、トヨタ車だけでなく、19世紀から21世紀にかけて製造された世界のクルマが約140台展示されており、実車を見ながら、移り変わる自動車文化の歩みを知ることができる。

今年で開館30周年を迎える同館は、これを機に、これまで以上にクルマの歴史に親しんでもらおうと常設展示のリニューアルを段階的に実施。各所の改装や展示内容の見直しに加え、今年から自動車の歴史を紹介する本館を「クルマ館」、企画展示室や図書室などを備えた新館を「文化館」と名称を変更。そして、新たに「クルマ文化資料室」を開設する。

約4000点の文化資料を一堂に展示「クルマ文化資料室」

文化館2階に設置される「クルマ文化資料室」では、日本、アメリカ、ヨーロッパの約800台のミニチュアカー(43分の1模型)をタイムライン軸で紹介する。ほか、書籍やおもちゃなど、同館が収集した多彩な文化資料から「移動は文化」をテーマに、約4000点を9つのゾーンで展示。これらを通じて、世に送り出された自動車がどのように社会に受容され、どのようなイメージで表現されたのか、その軌跡をたどることができる。

展示物の中には、世界初のモーターショーのポスターや、世界初のダイキャストミニチュアカーなど、なかなか見ることができない貴重なものも。今の時代には無い色づかいやデザインにも触れることができる、魅力的な空間となっている。

展示室中央に配された、約800台のミニチュアカー

クルマ文化資料室“9つのゾーン”

1.昔の出版物に見る乗り物文化

明治維新により、馬車や人力車、鉄道などの乗り物が登場。交通手段が近代化していく様子を色鮮やかに描写している錦絵、引札、うちわ絵、すごろくなど、約40点を展示。

錦絵 東京名所京橋鉄道馬車往復煉瓦家ノ図(1882年、日本) ※錦絵は作品保護のため1カ月ごとに作品を入替展示

2.自動車と出版物

1894年にフランスで発行された世界初の自動車専門雑誌『La Locomotion Automobile』をはじめ、1894年から2000年までに日本、アメリカ、ヨーロッパで出版された自動車雑誌64冊の表紙とともに、その変遷を紹介。ほかにも、カタログ約150冊も展示されている。

世界初の自動車雑誌『La Locomotion Automobile』(1894年、フランス)

3.自動車ポスター

同館が所蔵する約300点のポスターから、自動車メーカー、自動車部品・用品メーカー、モーターショーなど、テーマごとに約30点を紹介。世界初のモーターショー「パリ自動車ショー」のポスターも見られる。

世界初のモーターショーのポスター パリ自動車ショー(1895年、フランス) ※作品保護のため3カ月ごとに作品を入替展示

4.カーバッジ

各自動車メーカーのブランドイメージが色濃く反映されたアイテムで、それぞれから自動車生産にかかわった人々の情熱を感じることができる。「カーバッジ」を約400点展示。

5.カーマスコット

1910年ごろから1930年代前半にかけて、目印、お守り、ファッション、自己表現など、クルマを飾るアクセサリーのひとつして流行した「カーマスコット」。同資料室では、フランスのガラス工芸家であるルネ・ラリック(1860~1945年)が製作した全29品を含む、約180点を見ることができる。ラリックの作品を全点常設公開している展示室は世界でも珍しい。

ルネ・ラリック製作のカーマスコット「勝利の女神」(1928年、フランス)

6.自動車切手

自動車をテーマにした切手を約1200点。名車や人気車種を美しく描いたものはもちろん、アメリカで発行された世界発の自動車切手も展示。

世界初の自動車切手「コロンビア号」(1901年、アメリカ)

7.自動車玩具・ゲーム

1950年代に欧米に輸出された日本製のティントイ(ブリキ製玩具)、プラスチックモデルキット、スロットカー、ミニ四駆、ビデオゲームなど約640点を紹介。ほかにも、世界初のダイキャストミニチュアカーや、世界初のラジコンカーなども展示されている。

世界初のダイキャストミニチュアカー「フォードモデルT」(1914年、アメリカ)

8.世界のライセンスプレート

19世紀末に発明されたガソリン自動車が普及したことで、世界各国でライセンスプレートが採用されるようになった。同資料室では、個性が異なる世界79カ国のライセンスプレートを約100点展示。

カナダのライセンスプレート

9.文学・マンガ・映画・音楽

クルマは移動手段としてだけでなく、シンボル、ステータス、ライフスタイル、モータースポーツなど、さまざまな意味をもって表現されてきた。クルマが重要な存在として描かれている文芸や音楽作品を展示・紹介する。

入館料半額! 記念イベントも随時開催

さまざまな角度からクルマを知り、その歴史や取り巻く文化に触れることができる「トヨタ博物館」。リニューアルし、より楽しめるスポットになっただけでなく、開館30周年の今年は入館料(大人1000円)が半額になる謝恩ウイークをはじめ、イベントが盛りだくさんだ。この機会にぜひ、足を運んでみてはいかがだろうか。

周年謝恩Week

期間:2019年4月17日(水)~4月26日(金)
内容:入館料が半額

「馬なし馬車から自動車へ」

期間:2019年4月17日(水)~6月30日(日)
場所:文化館2階 企画展示室
内容:馬なし馬車がたどった独自の文化と、その様子を実車と雑誌、ポスター等で紹介

走行披露「60s ライトウェイトスポーツカー」

日程:2019年5月25日(土)、6月1日(土)
時間:1回目 11:15~、2回目 15:15~
場所:P1駐車場(無料ゾーン)
走行車両:ホンダS800(1967・日)、トヨタ スポーツ800(1965・日)、ロータス エリート(1961・英)
※天候等の理由により、やむをえず中止または内容を変更する場合あり

トヨタ博物館

住所:愛知県長久手市横道41-100
電話:0561-63-5151
開館時間:9:30~17:00(入館受付は16:30まで)※5月3日~5日は18:00まで延長(入館受付は17:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)および年末年始
入館料:大人1000円、シルバー(65歳以上)500円、中高生600円、小学生400円

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